アポリネール 一万一千本の鞭 第一回

アポリネール 一万一千本の鞭(第1話)

BLV

小説

5,864文字

アポリネール『一万一千本の鞭』の翻訳をお届けします。第一回は第一章をお届けします。お楽しみいただけましたら幸いです。
・パリに憧れるルーマニアの人々
・世襲される大公の肩書
・セルビア領事館での乱行パーティー
・パリ行きの決心を固める主人公

1

 

ブカレストは東洋と西洋が一体となったような美しい街である。地理的条件だけで言えば、そこはまだヨーロッパである。だが、この国の風習や絵に描いたように美しい通りを歩くトルコ人、セルビア人、マケドニア人を目にすれば、そこはもうアジアであるかのような感覚を覚える。それでもここはラテン民族の国である。かつてここを植民地として支配したローマ人兵士たちは、常に彼らの都ローマを思っていたに違いない。ローマといえば当時は世界の首都であり、あらゆるエレガンスの中心地であった。西洋に対するこのノスタルジーは彼らの子孫であるルーマニア人にも受け継がれている。というわけで、ルーマニア人たちは、贅沢が当たり前で喜びに満ちた人生を送ることができる都について、絶えず考えを巡らせているのである。しかしローマはその栄光を失い、街々の女王はパリへと冠を譲った。実に驚くべきことに、ルーマニア人はある種の隔世遺伝的現象から、ローマに変わり世界の頂点へと華麗に登りつめたパリを思い続けていたのである。

 

他のルーマニア人と同じように、美しきヴィベスキュ王子もまた、光の都、女という女が皆美しく尻軽なパリについて思いを巡らせていた。まだブカレストの学校に通っていた頃のことだが、王子はパリジェンヌのことを思い浮かべるだけで勃起が止まらなくなり、ゆっくりと手を動かし自慰を始め恍惚とするのであった。のちに王子は何人もの味わい深いルーマニア女を知り、女たちのアソコや尻の穴に精を放出した。それはそれで王子にとって心地よい体験ではあったのだが、やはりパリジェンヌを抱かなくてはという思いに駆られるのであった。

 

モニー・ヴィベスキュは大金持ちの家に生まれた。彼の曽祖父はルーマニアの大公であったが、これはフランスで言うところの群長程度の肩書きでしかなかった。しかしこの高位は彼の家系に代々受け継がれ、彼の祖父と父も大公の肩書きを持っていた。モニー・ヴィベスキュもまた、彼らに敬意を表し、この肩書きを引き継がなければならないのであった。

 

しかし彼はフランスの小説を読み漁っていたので、群長などというものは嘲笑の的でしかないことを知っていた。「だいたい」と彼は言った。「先祖がそうだったからといって、この俺も群長などと呼ばれるなんて、馬鹿げた話じゃないか?だいいち、そんなもの滑稽じゃないか!」こうして、彼は嘲笑を免れようと大公(群長)の肩書きを捨て、王子と名乗り始めた。「世襲される肩書なんてこの程度のものさ。」と彼は叫んだ。「大公なんて行政上の呼び名でしかない。しかもそこで功績を残しさえすれば、こんな肩書誰でも手に入れることができるじゃないか。だったら俺は貴族を称してやる。結局、俺だっていつかは先祖になるのだから、子供や孫たちは俺に感謝してくれることだろう。」

 

ヴィベスキュ王子はセルビア副領事のブランディー・フォルノスキと親密な間柄で、副領事は魅力的なモニーを男色の相手にしていると街では専らの噂であった。ある日のこと、王子は正装に身を包みセルビア領事館へと向かった。通りでは誰もが王子のことを眺め、特に女たちはしげしげと見つめながらこう言うのであった。「まあ、まるでパリジャンみたい!」

 

実際のところ、ヴィベスキュ王子は、パリジャンの歩き方はこうだろうとブカレストの人々が信じているのと同じ歩き方をしていた。つまり、忙しなさそうに歩幅を狭め、お尻を少し振りながら歩いていたのだ。その姿は魅力に溢れていた!ブカレストでこうした歩き方をする男がいれば、女という女は皆、たとえ総理夫人であったとしても、その魅力に抗うことはできないのだ。

 

セルビア領事館の前に着くと、モニーは建物の正面に向かって長々と小便を垂れ、それから呼び鈴を鳴らした。すると、ギリシア風の白いスカートに身を包んだアルバニア人の男がやってきて王子を招き入れた。ヴィベスキュ王子はすぐに二階へと駆け上がった。副領事のブランディー・フォルノスキはサロンで素っ裸になっていた。柔らかそうなソファーに横たわった副領事のペニスはガチガチに勃起していた。彼のそばでは、褐色の肌をしたモンテネグロ女のミラが、こちらもまた素っ裸で、男の睾丸をくすぐっていた。彼女は産毛の生えた褐色の綺麗な尻を突きだすように身をかがめており、肌はピンっと張ってはち切れんばかりになっていた。尻の間には、すっと切り込みを入れたように毛の生えた褐色の割れ目があり、そこからキャンディーのように真ん丸な蜜壺が覗いていた。さらに下の方にいくと、長く立派な太ももが伸びていた。ミラは太ももを開いていたので、肉厚でねっとりっとしたアソコが、黒く濃い陰毛の間から見えてきた。彼女はモニーがサロンに入ってきても気にとめる様子はなかった。サロンのもう一方の隅では、大きな尻をした二人の娘が長椅子の上で互いの秘部を舐め合い、「ああ」と官能的な吐息をあげていた。モニーは素早く服を脱ぎ捨てると、ペニスを宙に反り勃たせたまま、二人のレズビアンを引き離そうと飛びかかった。しかし彼の手は、蛇のように絡み合った女の湿っぽい艶やかな肌の上を滑って行った。二人が快楽に耽ってよだれを垂らすのを見ていると、喜びを分かち合えないことに苛立ち、モニーは近くにいた方の娘の真っ白な尻を平手で叩き始めた。大きな尻をした娘は大層興奮していると見えたので、モニーはあらん限りの力で彼女の尻を叩き始めたが、そのせいで痛みが娘の快感を奪い去ってしまった。白くて可愛いお尻を真っ赤にされた娘は怒りを露わに言った。

「この野郎、おかまの王子。邪魔しないでよね。あんたの馬鹿でかいモノなんていらないの。その棒キャンディーはミラにプレゼントしなよ。楽しんでるんだから、私たちのことは放っておいて。そうじゃない、ズルメ?」

「その通りね、トネ」ともう一人の娘が答えた。

王子は巨大なイチモツを勃起させ叫んだ。

「なんだって、このあばずれが。これからずっとお前らの背中を押さえつけて攻め立ててやろうか!」

 

それから、モニーは女のうちの一人に掴みかかり、唇にキスをしようとした。トネだ。彼女は美しい褐色の髪をした娘だった。色白で体のあちこちに可愛らしい黒子があり、それが彼女の体の白さをより一層引き立てていた。顔も真っ白で、左頬にある黒子はこの優雅な娘の表情をより煽情的に見せていた。彼女の胸の先端はまるで大理石のように硬くなり、周囲を青っぽく隈取り、柔らかいピンクのいちごを上に乗せているようだった。右の乳首の近くには、目の近くにつける付け黒子と同じような黒いちっちゃな点があった。

 

モニー・ヴィベスキュはトネを抱きかかえると、真夜中の太陽のもとで育った白くてむっちりとしたメロンのような尻を撫で回した。彼女の尻はカッラーラ産の白い大理石を思わせるほどに欠点がなく、その下にある太ももはギリシア神殿の柱のように丸々としていた。それにしてもなんという違いか!彼女の太ももは生暖かいのだが、尻は冷たかった。これこそ彼女が健康な印である。先ほど叩かれたせいで彼女の尻は少し赤くなっているのだが、その様子と言ったらラズベリーを混ぜたクリームではないかと思われるほどだった。彼女の尻を眺めていると哀れなヴィベスキュは興奮を抑えきれなくなってしまった。彼はトネの両乳首を代わる代わる吸い、彼女の首や肩にいくつもの赤い斑点を残した。果肉のぎっしり詰まったスイカのように引き締まった女の尻をしっかりと抱きかかえ、その立派な尻を撫でまわし人差し指をキュッと引き締まった穴に挿し入れた。彼のペニスは段々と膨れ上がり、黒光りする陰毛に覆われた真っ赤な蜜壺に触れんばかりになった。「ダメ、挿れないで!」トネはぽってりとした丸い太ももをバタつかせながら、ルーマニア語で叫んだ。モニーのペニスの先端は熱を帯び真っ赤に腫れ上がり、トネのじっとりと蒸れた蜜壺に触れた。彼女は抵抗を続けたが、その最中に一発の屁を放った。屁と言っても下品なものでなく、神経質な高笑いを起こさせるような澄んだ音のものであった。抵抗も虚しく、トネの太ももは開かれ、モニーのイチモツはすでにその亀頭を彼女の中に埋めていた。するとその時、トネの恋人でレズビアンのパートナーであるズルメがやってきてモニーの睾丸を乱暴につかんだ。彼女は小さな手で睾丸をキュッと絞ったので、モニーは激しい痛みを覚え、彼のペニスは萎れトネの蜜壺から出てしまった。モニーの華奢な体の下で、尻を揺れ動かし準備万端待ち構えていたトネはひどく失望してしまった。

 

ズルメは金髪の娘で、重たい髪を地面すれすれのところまで長々と伸ばしていた。彼女はトネよりも身長が低かったが、そのすらりとした体格や優雅な雰囲気に匹敵するものは何もないほどであった。彼女の眼は黒く、少し隈が残っていた。彼女が睾丸から手を離すと直ぐに王子は女に飛びかかった。「よし!お前がトネの代わりに俺の相手をしてくれるんだな。」それから彼女の乳房にしゃぶりつき、先端を吸い始めた。ズルメは身をよじった。彼女はモニーをからかおうと、綺麗に縮れた毛の生えた下腹部が踊って見えるように腹を動かした。それから腰をぐっと浮かせ、こんもりとした恥丘の真ん中にある綺麗な割れ目を見せつけた。彼女の下の口の間からは、貝合わせですっかり感度のよくなった大きなクリトリスが見えた。王子は彼女の秘部を貫こうと必死になった。王子がズルメの尻に掴みかかったその時、先ほど王子のペニスが萎えてしまってムンムンとしたまま怒りの溜まったトネが、孔雀の羽ペンで王子の踵をくすぐり始めた。王子は体を捩り笑い転げた。トネの羽ペンは王子の尻をくすぐり、そのままアソコの方へと移動した。彼女が王子のペニスをこちょこちょとくすぐるので、王子のイチモツはまた萎んでしまった。

 

このいたずらにすっかり気を良くした二人のあばずれトネとズルメは、息がきれるほどの大笑いであった。そのうち二人は、驚き途方に暮れている王子をよそに、抱き合いながら前戯に耽り始めた。二人の尻は小気味好く揺れ動き、下の毛はいり乱れ混じり合い、歯と歯がカチッと音を立てぶつかり合った。硬く締まって動悸を打つサテン地のような肌触りの乳房を互いに揉みしだいた。快楽に身をよじり、二人のアソコはぬらぬらと濡れてきたので、それを見ると王子のイチモツはまた大きくなってきた。しかしトネとズルメのカップルは二人の遊びに疲れ果てピクリともしなかったので、王子は副領事のペニスをいじっていたミラの方に向かった。ヴィベスキュはゆっくりと彼女の方に向かうと、ペニスを丸々とした尻に近づけた。しっとりと湿った下の口に王子のモノの先端が入るやいなや、彼女はそれを感じ取り、王子の方にぐっと尻を近づけペニスを根元まですっぽりと飲み込んでしまった。ミラは狂ったように尻を突き動かし、王子は一方の手で彼女のクリトリスを可愛がり、もう一方の手で乳房をくすぐった。

 

締まりの良いアソコの中でペニスが行ったり来たりすると、ミラは激しい快感を得たと見え、その証拠に官能的な喘ぎ声をあげていた。ヴィベスキュの腹がミラの尻に当たると、男の熱気が伝わってくるので彼女はなんとも言えない快感を覚えた。王子の方でも、ミラの冷たい尻に体が触れるたびに彼女と同じ快感を覚えるのであった。二人の動きはますます激しくせわしなくなっていった。王子は、息を切らし喘ぎながら尻をつかんでいるミラに体を押し付け、彼女の肩に噛み付いた。

「ああ!いい・・・このまま・・・もっと・・・もっと強く・・・いい、イキそう、このまま全部味わい尽くして・・・出して・・・私に全部出して・・・いい・・・イク!・・・イク!」と彼女は叫びをあげた。

 

二人は同時に絶頂を迎え、その場でぐったりと倒れ果て、しばし呆然としていた。トネとズルメは長椅子の上で絡み合ったまま二人を眺め笑っていた。副領事は東洋の細い紙巻きたばこに火をつけた。モニーが起き上がるのを見て副領事は言った。

「王子、今度は私の番ですね。あなたのことをずっと待っていたのですよ。ミラにはアソコを好きなようにイジらせておきましたが、本当の悦びはあなたのために我慢しておいたのです。さあ、愛しい王子、その可愛いお尻を早く!ブチ込んであげますよ。」

ヴィベスキュは副領事のことを一瞬見つめると、彼のペニスに向かって唾を吐きかけた。

「お前に犯されるのはもううんざりだ。街中が噂してやがる。」

副領事はペニスを勃たせたまま王子の前に立ちはだかった。彼はリボルバーを手に取ると銃口を王子に向けたので、モニーは震えながら彼に尻を差し出した。

「ブランディー、愛しいブランディー、愛してる、犯してくれ、僕の尻を犯してくれ。」

ブランディーは微笑みながら、王子の柔らかな尻穴にペニスをブチ込んだ。

三人の女たちは、尻を貫かれた王子と、その上で何かに取り憑かれたように腰を振りまくる副領事を眺めていた。

「ああ、神よ!イキそうだ、ケツを締めろ、俺の可愛いモニー、締めてくれ、イキそうだ。その可愛いケツを締めてくれ。」

モニーの華奢な肩を押さえつける手が痙攣したかと思うと、副領事は白目を向けながら果てた。モニーは起き上がると服を着て、「夕食の前には戻ってきます。」と言い残すと部屋を後にした。モニーは家に戻ると手紙を書いた。

 

親愛なるブランディー

 もう君に犯されるのはこりごりだよ。ブカレストの女どもにもうんざりだ。こんな街で財産を無駄遣いするなんて馬鹿げている。パリに行けば幸せになれるのに。2時になる前には僕は出発しているだろう。パリで楽しめるよう祈っておいてくれ。さようなら。

世襲の大公

モニー・ヴィベスキュ王子

 

手紙に封をすると、王子は公証人に向けて二通目の手紙を書き始めた。財産を整理したのち現金にして、パリでの滞在先が決まり次第すぐに全部送るようにと指示を書き記した。モニーは手持ちの現金をかき集め5万フランを工面すると駅へと向かった。彼は二通の手紙を投函すると、パリ行きのオリエント急行に乗り込んだ。

(続く)

2017年9月10日公開

作品集『アポリネール 一万一千本の鞭』最新話 (全1話)

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