伊坂幸太郎の殺し屋シリーズ『AX アックス』の英訳「The Mantis」が、英国推理作家協会主催の最も優れたスリラー小説に贈られる「イアン・フレミング・スチール・ダガー賞」最終候補に選出された。
英国推理作家協会は5月10日に、同賞の最終候補6作品を選んだと発表した。英国推理作家協会(The Crime Writers’Association)は、1953年にジョン・クリーシーによって設立されたイギリスの作家協会。
「イアン・フレミング・スチール・ダガー賞」は「007」シリーズの原作者で知られるイアン・フレミングにちなみ、2002年に創設された。昨年はJohn Brownlow「Agent Seventeen」が受賞している。
「AX アックス」は、『グラスホッパー』『マリアビートル』に続く殺し屋シリーズ。表向きは文具メーカーの営業マンで恐妻家、裏では冷静沈着な腕利きの殺し屋であるという主人公の物語。題名は斧を意味し、自らの力量もわきまえず強敵に立ち向かう故事「蟷螂の斧」に由来するとされる。蟷螂はカマキリで英訳タイトルとなった。
日本で17年にKADOKAWAから刊行された。翻訳家サム・マリッサが英訳し昨年英国で出版された。
最終候補にはほか、Jordan Harper「Everybody Knows」、Eli Cranor「Ozark Dogs」、S A Cosby「All the Sinners Bleed」、Femi Kayode「Gaslight」、T J Newman「Drowning」が挙がっている。選考結果は7月4日に発表される。
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