日本画家・髙山辰雄の展覧会「角川武蔵野ミュージアムコレクション展 髙山辰雄―15㎝×15㎝の宇宙―」が12月2日~2024年4月8日まで、埼玉県「ところざわサクラタウン」内の「角川武蔵野ミュージアム」4Fエディット アンド アートギャラリーで開催される。

 髙山辰雄は、1912年大分県大分市生まれ。1936年、東京美術学校日本画科を主席卒業。在学中から松岡映丘に師事。1946年、1949年に日展特選、独自の芸術的な画風が評価される。以降、日本芸術院賞、芸術選奨文部大臣賞、日本芸術大賞等を受賞。1982年、文化勲章受章。日展を中心に活躍し、東山魁夷、杉山寧とともに「日展三山」として知られる。2007年没。

 今回は、画業の転換期ともなった初期作品《裸婦》(1948年)をはじめ、女性美の集大成ともいえる《青衣の少女》(1984年)など、髙山の代表作品を公開する。

 展示の中心となるのは1987年~1999年の13年間、毎月1枚ずつ描き続けた『文藝春秋』の表紙絵156枚。15㎝×15㎝の表紙絵には、春夏秋冬を繰り返す小さな宇宙が広がる。そこには移ろいゆき、循環していく自然や人間の姿が描かれている。

 髙山が見ていた景色を追体感することで、自然や宇宙とつながったこの世界を見つめ直すきっかけとなる展示になっている。

 髙山は、「日展三山」として並び称される先輩の画家・杉山寧から、表紙絵のバトンを受け継いだ。

 本展では新しい試みとして、156枚の表紙絵を、年代順で並べるのではなく、春夏秋冬の季節に分け、さらに「元旦」、「音」などの言葉によって分類。髙山の描いた景色を再編集することで、髙山のいた時ともつながる、新たな季節の煌めきを感じられる展示となっている。

 会期中はクロストークやワークイベントなど、関連イベントも開催される。詳細はHPで確認を。