河出書房新社が主催する「文藝賞」の〈短篇部門〉の受賞作が、西野冬器「子宮の夢」に決まった。優秀作は才谷景「海を吸う」。
雑誌『文藝』の創刊90周年を記念し、2022年限定で「文藝賞」と別に設置された「文藝賞〈短篇部門〉」。選考会は、7月27日に選考委員を務める柴崎友香、松田青子による選考会が明治記念館で行われた。
受賞作「子宮の夢」の作者である西野は2007年生まれ。静岡県出身。16歳で現役高校生。優秀作「海を吸う」の作者・才谷は、2000年生まれ。東京都出身の22歳で大学生。4176作品の応募作の中から、選ばれたのは若い世代の作品という結果になった。西野は第42回「文藝賞」受賞の三並夏(当時15歳)に次ぐ、史上2番目の若さでの受賞。
贈呈式は、今後発表となる第60回「文藝賞」と同じく、2023年11月中旬に明治記念館で開催される予定。受賞者には、正賞として記念品、副賞として20万円(優秀賞には10万円)が贈られる。
なお、受賞作の選評と選考経過、受賞者による受賞の言葉は、10月6日発売の『文藝』冬季号に掲載される。
インターネットの誕生からスマホの普及を経て、YouTubeやNetflixといった動画サブスクリプションサービスなどに慣れ親しんでいる「デジタルネイティブ」と呼ばれる若い世代の活字離れが危惧されて久しい。今回の十代、二十代の受賞は喜ばしいことである。どのような作品なのか、今から楽しみだ。
コメント Facebookコメントが利用できます