筑摩書房・三鷹市共同主催の「第39回太宰治賞」が5月11日に発表され、西村亨にしむらりょうの「自分以外全員他人」が受賞した。

 同日、選考委員である荒川洋治、奥泉光、中島京子、津村記久子により最終選考が実施された。最終候補には受賞作のほか、「コスメティック・エディション」北野解、「魚の名前は 0120」西井貴恒、「肖像のすみか」村雲菜月の四作があがっていた。

 「自分以外全員他人」は、マッサージ業界でフリーランスとして働く柳田譲を主人公にした、中年の破滅の物語。自らに死亡保険をかけ、自殺でも保険金が下りるようになる日を待つ柳田の怒りに満ちる日常を描く。

 西村亨は1977年生まれ。鹿児島県出身で東京都在住。贈呈式は6月16日に如水会館で開催される予定。受賞者には記念品および賞金100万円が当日贈呈される。

 昨年同賞を受賞した野々井透『棕櫚を燃やす』(筑摩書房)は現在、三島賞候補となっている。今作がどう評価されるか、筆者である西村亨の今後にも期待したい。