若竹千佐子の芥川賞受賞作「おらおらでひとりいぐも」(河出書房新社)独語版「Jeder geht für sich allein」(ユルゲン・シュタルフ訳)が7日、独リベラトゥール賞に選ばれた。同国の文学協会が1987年に創設した賞で、日本人の受賞は初めて。

リベラトゥール賞は、ドイツで翻訳出版されたアジアやアフリカ、ラテンアメリカ、アラブ地域の女性作家の作品が対象。今回は、伊藤比呂美『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』(講談社)や川上未映子『ヘヴン』(講談社)の3作品ほか、7作が候補に上がっていた。

「おらおらでひとりいぐも」は若竹千佐子による2017年の文藝賞受賞作。夫に先立たれた桃子の老境を東北弁を交えてつづり、18年に芥川賞を受賞した。ドイツでは21年に刊行された。

なお、若竹には10月19日~23日に開催される独フランクフルトブックフェアで、本賞と賞金3000ユーロが授与される。