政治スキャンダルなどにより今年度の開催が取りやめられていたノーベル文学賞に代わる賞と目されている「ニューアカデミー賞」の受賞者発表が12日に行われ、マリーズ・コンデの受賞が発表された。

マリーズ・コンデ(Maryse Condé)は現代の著名なクレオール文学者の一人である。1937年にカリブ海のフランス海外県グアドループで生まれ、ソルボンヌ大学で英文学を学び卒業後は西アフリカ各地で教職に就いた。1976年より小説や戯曲の執筆を始め、「ヘレマコノン」「私はティチューバ」「生命の樹」など、カリブ海とアメリカ大陸における黒人やクレオールの文化と生活を描いた作品は高い評価を受けている。数は少ないが邦訳された作品もあり、講演の為に数度来日している。

選考過程としては、第一次候補47人を専門家が抽出した後、一般投票により4名が最終候補に選ばれていた。最終選考の際に残った4名の内、村上春樹は選考を辞退している。ニューアカデミー賞の受賞式は12月9日に行われると言う。