2016年8月4日(木)、第26回紫式部文学賞の選考結果が発表された。受賞作は平田俊子の詩集『戯れ言の自由』で、言葉遊びを巧みに用いながら社会や人生を深く掘り下げた点が評価された。

紫式部文学賞は1991年に創設された文学賞だ。京都府宇治市と市の教育委員会によって主催されており、紫式部にちなんで女性作家のみを対象としている。また、ノミネートされるジャンルも多岐に渡り、過去には歌集や文学研究書が受賞したこともある。なお、同賞に詩集が選ばれるのは2008年の伊藤比呂美『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』以来8年ぶりのことだった。

これまでに野間文芸新人賞を受賞したり岸田國士戯曲賞の候補になったりと、詩・小説・戯曲と幅広い分野で活躍する平田俊子がこの賞を受賞したことは、なかなか意義深いことのように感じられる。受賞にあたっての「紫式部が急に身近な人になりました」というコメントも、平田らしく軽妙洒脱で味わい深い。

贈呈式は11月に宇治市文化センターで行われる。