あなたが作品を破滅派で公開しただけで作品が100万人に見られるのであればよいのですが、いきなりそれは難しいです。

したがって、多少はご自身で宣伝する必要があります。

SNSでシェアしよう

これが一番簡単な方法なのですが、SNSでシェアすると多少は読まれます。「自分には友達がいないから……」と諦めてしまいがちですが、何かの本によると、友達の友達を7人たどれば、世界中のすべての人とのつながりがあるそうです。

twitterを利用される人はわかると思いますが、数万RTされるようなつぶやき(これを「バズる」と言います)でも、つぶやいた当人はフォロワーが100人ぐらいしかいないことがあります。ちょっとしたきっかけで燃え上がるのがインターネットの速度です。

ポイント1: URLを含めよう

山谷感人先生に聞かれるまでわからなかったのですが、SNSでのシェアにはURLを含めるべきです。URLはあなたの作品につけられた住所のようなものです。以下、URLを含めたつぶやきと含めないつぶやきを比較してみましょう。

左:山谷先生 右:高橋文樹

左:山谷先生 右:高橋文樹

さて、左はURLの存在を知らなかった山谷先生のつぶやきです。右は高橋文樹のツイートです。右はリッチスニペット(画像などでリッチに表現される機能)が有効になっていますが、重要なのはただ一点、クリックできるかどうかです。ほとんどの人はいちいち入力しません。

これはインターネットの本質と関わるのですが、人がネットサーフィンをして日がな一日過ごすことができるのは、「楽だから」という言葉に集約されます。したがって、めんどくさいことをすると、それだけでもう見てもらえないのです。

では、どうすればURL入りの投稿を作れるのか? そのための機能は普通のスマホならばついているのですが、一番簡単なのは「自分の作品ページのボタンを使う」です。これを使うとURLが自動で付与されます。

投稿の下にボタンがあります

投稿の下にボタンがあります

ポイント2: 内容紹介や魅力的なリードを含めよう

SNSでシェアするとき、簡単な内容紹介などを含めましょう。タイトルなどのすでにわかりきっている情報をシェアする必要はありません。現在、ほとんどのSNSではURLを含めた時点で上述したリッチスニペットが有効になるようにしてあります。それよりも、その作品のさらなる魅力を共有すべきでしょう。

でもなにをいったらいいのかわからないという方は、次のような方法を試してみてください。

フレーズを抜き出す
太宰治は千人と寝た女は処女より純粋だよなどといったアフォリズムの名手として知られますが、あなたの作品にも一節ぐらいお気に入りのフレーズがあるでしょう。それを含めてツイートしてみましょう。もしお気に入りのフレーズが見つからなかったら、そもそも自分はなぜそんな作品を公開したのかということについて考えてみてください。
時事ネタと絡める
過去の作品であっても、時事ネタと絡めることでニュースバリューが高まることがあります。たとえば、あなたの作品で14歳の中学生女子が日本刀で100人を辻斬りする場面があったとしましょう。で、実際にそんな事件が起きてしまったとします。そんなときは「私の書いたことが実際に起きてしまった…… https://hametuha.com/novel/1」 とつぶやきます。もしかしたら炎上するかもしれませんが。
流行っているという
最近のネットニュースでは「○○とネットで話題に」というマッチポンプフレーズがあり、蓋を開けてみれば2ちゃんねるでスレッドが立っていただけだったなど日常茶飯事です。しかし、「これは流行っている」というフレーズは強力なもので、ついついクリックしてしまうのが悲しい人のさが。アクセス解析などを見て、自分のこれまでの作品より少しでも成績が良かったら「今度書いた○○は好評だな……いままでの2倍ぐらい見られている https://hametuha.com/novel/1/」などとつぶやきましょう。

以上、3つほど具体的な例をあげましたが、SNSでの情報はほとんど流れていってしまうので、一回シェアしたからといってあきらめずに何度もトライしましょう。やりすぎると嫌われますが、世の中にはもっとキ○ガイのようにシェアしまくっている人がいるので、それほど気にならないと思います。それに、みんな覚えていないでしょう。忘れっぽいんです。

ポイント3: シェアしやすい内容にしよう

シェアする場合、自分で何かコメントを書くパターンとそのままシェアするケースがあります。いずれにせよ、シェアするだけで社会的常識を疑われるような内容だと、広がりづらいです。これはFacebookのような実名SNSを考えるとわかりやすいのですが、女子小学生を蹂躙する小説とかを実名でシェアできないですよね。逆にtwitterでは匿名インフレが起きており、ある程度かぶいていないと目立ちません。twitterで「匿名をいいことにちんこまんこ言っていた奴のアカウントが会社の先輩にバレる」などの垢バレ(アカウントがバレること)が人気コンテンツなのは、その性質をよく表していますね。

その他にシェアされやすい内容としては文章を質問系で終えるのがよく知られています。質問されたので、答えようと思うのが動物的ポストモダンを生きる我々の動物性なのですね。

また、高度なテクニックとして「なにか言いたくさせる」というものがあります。正しかったり、賢かったり、偉かったりするものがシェアされやすいと思いがちですが、腹立たしかったり、不思議だったり、悲しかったりすると人は何かを言いたくなります。SNSにおけるコメントは露出という意味ではシェアとほぼ同義ですので、あえてそうしたネガティブな方法をとることもできます。これが上達するとあなたは炎上芸人と呼ばれます。

ポイント4: 時間帯を意識しよう

インターネットの世界にもテレビと同じく「ゴールデンタイム」があります。特にtwitterにはタイムラインの概念があり、100人以上フォローしていると10分前のものはもう見ることがめんどくさくなります。

したがって、あなたが夜型の人間だからといって、深夜3時にシェアしても見てもらえない可能性が高いです。わりと人が多いのは朝の通勤時間帯、昼休み、就寝前と言われています。

また、バズるのには時間差があり、有名人やたくさんのフレンド・フォロワーがいるユーザーがピックアップした瞬間に最大風速が訪れたりします。翌日、ネットメディアなどにつぶやきが取り上げられると、大量のレイトマジョリティがわらわらやってきてめんどくさい思いをしますが、それは有名税みたいなものですので、ぜひ今後の糧としてください。

ポイント5: 初心忘れるべからず

こうした諸々を工夫するとともに、SNSにハマりすぎないよう注意しましょう。私はブロガーの知り合いが多いのですが、SNSにハマりすぎてブログを書かなくなった人を多く見てきました。作品を宣伝するために文芸作品が書けなくなるのは恐ろしいことです。

以上、集客について不明な点がありましたら、気軽にご意見ください。

 

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