長編小説を書くというのは、とても大変です。もしもそれを完成させることができたのなら、それだけであなたは立派な文学者です。
まずは自らの労をねぎらう意味を込めて、茶でも煙草でも一服してください。慌てて投稿するには及びません。
さて、一息ついたところでもう一仕事と行きましょう。すでに作品は完成したのですから、もうなにもしたくないかもしれませんが、あと一息です。本稿では、破滅派に限らず、一般的な長編小説の書き方・発表タイミングなどについて説明します。破滅派への具体的な投稿方法は作品集についてをご覧ください。
1.校正する
長編を物したほどの御仁ならば、すでに校正は終えているかもしれません。が、そこでもう一踏ん張りです。
長編小説というのは、辻褄あわせがとても大変です。「一度脱いだ服をもう一度脱ぐ」などというのはザラで、ひどい場合には、死んだ登場人物がもう一回死んだりもします。校正には十二分に注意しましょう。
2.作品を分割する
校正が済んだら、作品を分割する必要があります。執筆時点では1つのファイルで書いていたと思いますが、投稿に当たっては分割することをオススメします。これは下記に挙げる2つの理由があります。
理由1. 長いものは好かれない
みなさんもそうだと思うのですが、300ページもある得体の知れない作品をWebで一気に読めるほど暇な時期はそうないと思います。「俺は暇だぞ!」という方は、それほどみんなが暇ではないことをご理解ください。とりわけWebを閲覧しているユーザーには「我慢が効かない」傾向がありますので、15分ぐらいで読み通せる分量(1話あたり400字詰め原稿用紙換算で20~40枚)にしましょう。150枚の長編だったら、5回ぐらいに分けるのが適当でしょう。雑誌の連載小説ではないので、各回の分量に不均衡があっても構いません。
理由2. 重くなる
これは破滅派側の事情で申し訳ないのですが、作品を分割するとサイトの動作が重くなってしまいます。パソコンで見ている場合はそれほど感じないかもしれませんが、スマートフォンを始めとする携帯電話はそれほど高性能ではないので、大量の文章をドカーッと表示すると動作がモタついてきます。あなたの作品の内容ではなく、操作性で読者を失望させることは勿体ないので、ご理解いただければと思います。
ちなみに、これまでは編集部で作品の分割をやっていましたが、下記の理由によりやめました。
- どこで分けたらいいのか著者に確認を取るのが大変
- 編集部も自分の作品を書きたい
- 長すぎると手をつけるのがおくれる
「どこでわけたら次回も読んでもらえるか」というところが作者の力量なので、ここでは立ち入って説明しません。
3. シリーズにまとめて投稿する
長編小説の場合はシリーズを作るのがよいでしょう。あなたの長編小説が「私の大破滅日記」というタイトルだった場合、そのタイトルのシリーズを作成してください。
各話のタイトルは章題でも構いませんし、「私の大破滅日記(1)」というような連番でも構いません。ただし、単体で意味が通じるものにした方がよいでしょう。
作成した各投稿はそれぞれシリーズに紐づけてください。投稿日で並べ替えられるため、一話目から順に投稿するようにしてください。
4.注意点
書き慣れていない人がやってしまいがちなのが「完成する前に発表する」ことです。なぜこれが駄目かというと、連載がとても難しいということに起因しています。
新聞連載小説など、2年前から執筆者が決まっていたりします。その場で思いついて連載を続けられる人は、かなりの才能の持ち主です。大体途中で頓挫することになるので、作品が完結してから(または少なくとも三分の一ぐらいできたら)発表するように心がけましょう。
ちなみに、編集部の知る限りでは、いきなり「第一回」とブチ上げる人に限って続きません。長い間第三回ぐらいまでで止まっている作品があるとカッコワルイので、気をつけましょう。
5.最後に
長編小説を書くのはとても大変です。苦労の末に生まれた作品を円滑に公開するためにも、ご協力お願いします。