この世で最愛で最低君へ

この世で最愛で最低な君へ(第28話)

実琴

エセー

846文字

人を愛する事が出来ない事に惰性していた私が初めて人を愛した人は優しくて最低な人でした。堕ちていく…愛に憎悪に

「そういうば誕生日いつなの?」

と私は何気なく聞いた。

初めまして好きになった人…そりゃ誕生日は気になる。

でもそういえば前の子の誕生日なんて気にした事なかった。プレゼントもあげてない。

逆に誕生日プレゼント貰ったけど…こんなにも差が出るのか。

「5月17日」

「え?」

彼の答えに私は驚いた。

「だから5月17日だよ」

「本当に?」

「嘘ついてどうするの、変なさくら」

と彼は笑った。

「いや、ママの誕生日と同じだから」

「え、そうなの?」

「うん、だから驚いた」

こんな偶然あるだろうか…私は恋愛経験ないけど、恋愛マンガはよく読んでいた。

だからだろうか、この偶然は偶然ではなく必然なのではないかと思った。

「じゃあさ、今度の土曜日うちで誕生日パーティーしない?ママと一緒にお祝いしたい!」

「いいね」

「何か食べたい物ある?作るよ!」

「さくらの料理はどれも美味しいからなー迷うから任せていい?」

「うん!楽しみだね」

 

私はその後彼の誕生日プレゼントを買いに行った。好きだと言っていたブランドの物で和柄の可愛いベルト。彼は気に入ってくれるだろうか…そう考えるとドキドキしていた。

あげるのも内緒にしながら誕生日パーティーの日がやって来た。

 

私、彼、ママ、弟。この4人で誕生日パーティーを始めた。弟はお酒が嫌いでお茶だったが4人で乾杯した。でも普段の弟と違う気がした。そう思いながらも乾杯してパーティーは始まり、いよいよプレゼントを渡す時になった。家族、親友以外にプレゼントを渡す事など今までにはなくとてもドキドキした。

「これ!」

と言って私はプレゼントに包みを彼の前に出した。

「え!誕生日プレゼント?凄い嬉しい開けていい?」

「うん、もちろん!」

そうして彼はプレゼントの包みからベルトを出した。

「あ、これ俺が好きなブランド!覚えててくれたの?」

「うん、気に入るかわからないけど…」

「和柄じゃん、いいよ!ベルト使うし凄い嬉しい」

と彼は笑った。

私はそれだけで充分だった。その笑顔で私は幸せだった。本当に幸せだったのに…

2022年5月22日公開

作品集『この世で最愛で最低な君へ』最新話 (全28話)

© 2022 実琴

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