この世で最愛で最低な君へ

この世で最愛で最低な君へ(第27話)

実琴

小説

952文字

人を愛する事が出来ない事に惰性していた私が初めて人を愛した人は優しくて最低な人でした。堕ちていく…愛に憎悪に

何か違和感を感じていた。私は確か寝てるはず…それだけはわかる。意識朦朧とした中で下半身に違和感を覚えた。

「ん、ん」

私はその違和感で目を覚ました。でもそれはまだ続いていて自分の下半身に目をやると、彼が私の陰部を舐めていた。

「何してるの!」

私は驚き飛び起きた。

「おはよう。可愛いからつい」

と彼は笑顔で言った。

「でも寝てる時はやめて…本気で」

「起きてる時ならいいの?」

そういう言って彼は私を引き寄せSEXを始めた。寝起きのSEXは結構しんどいものだとこの時初めて思った。

SEXが終わり、2人共服を来て煙草を吸っていると、

「見て見て、これ」

と彼は携帯電話を見せてきた。

「ん?これって私?」

「そうだよー可愛いから撮った」

と彼は私が寝ている姿を撮っていた。

「消して!今すぐ消して!」

と私は訴えた

「えー可愛いのに」

「可愛くないから消して!」

と私は強引に写真を消してもらった。

本当にこれは消してもらった事が良かったと今でも覚えてる。

「あ、そうだ!これ」

と言って彼は鍵を私の前に出した。

「これでいつでも来ていいから。平日休みの時前の日に迎えに行けそうなら行くけど、厳しいときは電車とバスで来て」

「わかった」

初めての彼氏の合鍵。私はそれ持って上にあげ見つめていた 。これが合鍵…これでいつでも来れる。何て幸せな事なんだろう。

 

私達は晴れて付き合う事となり、休みが合わないので、土日休みはになるように調整したり、平日休みに彼の家に行くことになった。彼が飽きないようにレシピを探して良さそうな物を沢山作った。それを美味しい美味しいと言って食べてくれていた。掃除や洗濯もした。平日休みの時は昼間1人でやることがなかったからだ。

そんな時

「平日来ると時間持て余しちゃうからパソコン欲しいな」

とポロッと言ってしまった。

「パソコンかー確かにあればいいね。よし買いに行こう」

部屋でダラダラしていたのに彼は動き出した。

パソコンを本当に購入した。回線はまだだけど、これでゲームが出来る。私はそんな風に思っていた。

 

「もうすぐ夏だね。どっか旅行行かない?泊まりで」

と彼が唐突に言ってきた。

「旅行!行く行く」

「よしどこに行こうか?」

「サファリパーク!」

と私は即答した。

「なぜサファリパーク?」

「今ね、ライオンの赤ちゃん抱っこでk」

2022年5月22日公開

作品集『この世で最愛で最低な君へ』第27話 (全28話)

© 2022 実琴

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