一
手要ラネノ 居ルノ
手要ラネナ 居ル
片手サラッダナ サワッダナ
細イノ 鍛エデオゲ
エライノ エライノ 騒々シイナ
カマウナ カマウナ 肩ノ峰払ウナ
朗読終ワリマス 終ワリマアス
僕ラ具合ノ悪イ人チョットデモ助ケテアゲタイ
二
精読せよ 逐電せよ
羊蹄を格好良く描け
色を塗らせろ
馬蹄よ
蛍火を消せ
楽器から遠く離れて
眠った家の者を避けて
馬蹄よ
踏み締めろ
三
おかえり
桔梗の花ざかり
汽船の脱法者 展転する
霧と離船で切り取り線で 別れる人
壊劫とナラティブ
フィル・イン
もうモーメント
おかえり
数限りない夢だよ
四
変化することこそ変化しないで
変化を強いられる健常の世界で
しょうがなく変化しようと思う
反転が展転する
眺望小唄を還元して
本当の受光を知らないままだ
最奥で願をかけんとせんば噴火口
抜かんば雷光 敷かんば草いきれ
さりとて夏至の候
打ち込み井戸の軽さのような
バスの裁落としの窓のような
新しい朝は
来るだろうか
二〇一一年八月
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