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四つの話

多宇加世詩集(第8話)

多宇加世

四つ目の話の末尾に日付がある。この頃からテーマは割と一貫している気がする。

タグ: #自由詩

403文字

手要ラネノ 居ルノ

手要ラネナ 居ル

片手サラッダナ サワッダナ

細イノ 鍛エデオゲ

エライノ エライノ 騒々シイナ

カマウナ カマウナ 肩ノ峰払ウナ

 

朗読終ワリマス 終ワリマアス

僕ラ具合ノ悪イ人チョットデモ助ケテアゲタイ

 

精読せよ 逐電せよ

羊蹄を格好良く描け

色を塗らせろ

馬蹄よ

蛍火を消せ

楽器から遠く離れて

眠った家の者を避けて

馬蹄よ

踏み締めろ

 

おかえり

桔梗の花ざかり

汽船の脱法者 展転する

霧と離船で切り取り線で 別れる人

壊劫とナラティブ

フィル・イン

もうモーメント

おかえり

数限りない夢だよ

 

変化することこそ変化しないで

変化を強いられる健常の世界で

しょうがなく変化しようと思う

反転が展転する

眺望小唄を還元して

本当の受光を知らないままだ

最奥で願をかけんとせんば噴火口

抜かんば雷光 敷かんば草いきれ

さりとて夏至の候

打ち込み井戸の軽さのような

バスの裁落としの窓のような

新しい朝は

来るだろうか

二〇一一年八月

© 2019 多宇加世 ( 2019年8月30日公開

作品集『多宇加世詩集』第8話 (全18話)

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