判断する たましいよ

多宇加世詩集(第17話)

多宇加世

359文字

ぱちぱちと

朝の誘蛾灯

で首を吊るやもり

おはようの死体

ぱちぱちと焦げている

匂いはしないけど 夢にみるよ

判断する たましいよ

ありがとう 気持ちいいな

分別をもった やさしい 肺よ

ちゃんと動いてくれて

どうもありがとう

 

肉眼でみた夢に出てくる

火薬類取扱保安責任者の

おくれ毛

生命!

ハート型のことじゃないけど

心配しないで作業をしてね

心臓!

ちゃんと動いてくれて

どうも有難う

 

減らしますかお薬を

いいえ

とりあえずのそのままが

もう少し誰もが慣れるまでが

けれども

慣れても失敗はするんだから

あんまり怒らないでって

いうこと それ融通利かせてくれて

どうもありがとうございます

 

髪の毛 一房分の重さの

多ければ二、三本の軽さの

染まった毛先の枝毛ぶんの

感謝をしましたが

初めからあなたには関係なかったこと

だったので 聞いてくれて

それこそありがとう

ごめんね

2020年7月23日公開

作品集『多宇加世詩集』第17話 (全18話)

© 2020 多宇加世

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