マシュマロを嫌いになってほしい

葵-Aoi

小説

1,039文字

マシュマロを作ってみました。美味しいですよ。

ある朝、人間ぜんぶの右人差し指の爪がマシュマロになったようだった。

TVショーではこの話題について何とかという学者が喋っていて、いわく「マシュマロのように見えるものはもしかしたらマシュマロじゃないかもしれないので、食べないでください。それから、マシュマロを指から剥がしても血はでないようですが、何があるかわかりませんから、できるだけ取らないように。」だそうだ。

取らないように、と言われてもマシュマロでパソコンを操作するわけにもいかないので、朝出社したときに取った。

 

隣の席の江口が近くの人達に対して、

「じゃんけんで負けた人が全員のマシュマロを食べるゲーム、どうですか」などとばかげたことを言い出した。

女性社員の三浦さんが、「キモっ」と呟いてトイレに行ってしまったので、この提案は自動的に消滅したが、江口くんは残念そうに見えた。あまりにも残念そうだったので、慰めてあげようと、「マシュマロ買ってこようか?」と言ったら彼もトイレに行ってしまった。

あ、あと、自分のマシュマロは寝る前にラップにくるんで部屋の冷蔵庫にしまった。

 

寝て起きると、また爪の位置にマシュマロができていた。

ラップにマジックで②と書いて、くるんで冷蔵庫に入れた。昨日のにも①と書いておいた。

 

TVショーで追加情報があった。

「徹夜していた人の指はマシュマロになっていないようです。」と。

100年後とかに売れるかもしれないから、番組を録画しておいた。

SNSを見てみると、どうやらマシュマロは本当にマシュマロのようだった。食べた、という人によれば

「甘いしやわらかい。マシュマロが好きな人は好きだし嫌いな人は嫌いだろう。当たり前か。」

だそうだ。

一日目のを舐めてみようかなと思ったが、なんか気持ち悪くなってやめた。

会社では、マシュマロを取った人は少ないようだった。みんなマシュマロをつけたまま、打ちにくそうにタイピングをしていた。

江口くんはもともと一本指タイピングだったので、左人差し指しか使えなくなってしまったと嘆いていたが、楽しそうにも見えた。

 

世間はどうか知らないが、私はマシュマロを好きな方ではないので、正直うんざりしていた。

 

三日目。③と書いて冷蔵庫に入れた。

四日目。④と書いて冷蔵庫に入れた。

五日目。マシュマロを食べた人は全員死んだらしい。周りにはいなかった。舐めなくてよかった。

六日目。マシュマロが出なくなって、代わりにクッキーが出るようになった。おいしそうだ。

2021年11月22日公開

© 2021 葵-Aoi

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