蒼、碧

渡海 小波津

小説

354文字

情景小説の試作

 

 

池である。大きな水溜りである。その水溜りの中には、空が映っている。青じゃないと、水色だと言う者もあるだろう。白だという者もあるだろう。そういった空が映っている。巻層雲の薄い空映る大きな水溜り。
水溜り揺らす風ひとつ。空波立つ。雲揺れて凪ぐ。

また風ひとつ。風の色は例えるなら緑色で、碧色。清らかな風がひとつ、続いてふたつ、揺らす。揺らす先に木立ちあり。その枝先の葉一枚いちまい、湿った葉の感触を確かめるように風がまた葉を揺らす。鳴らす。さわさわと鳴る緑葉の中。風は葉の隙間を抜け、擦り、鳴らしながら木々の頭を目指し幹に沿って駆け上がる。さわさわと幹の表皮を擦りながらさわさわと上がる。

緑の網目を抜け見れば、風もまた大きな大きな空に出る。

空である。

 

 

2013年2月6日公開

© 2013 渡海 小波津

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