日常。(70)

日常。(第63話)

mina

小説

1,635文字

僕がよく利用するお店がよく使うラブホテルにはポイントカードがあって、そのホテルを1回利用する毎に5ポイント貯まる仕組みになっている
そこは200ポイント貯めると1万円分の全国百貨店共通商品券と交換してくれる
僕としてはこのポイントもお金を払う、僕のモノだと思っている
しかしそのホテルでお金を払うときに大抵相手の女性がポイントカードを差し出して、ポイントを自分のモノにしてしまう
そのことをいつも僕は疑問に思っていたから今回は…
「3300円になります」
ホテルの受付の女性がそう言った後、女性がポイントカードを差し出そうとしたから僕はすかさず
「あ、僕もポイントカード持ってるんだ」
と言って、あらかじめ作って用意しておいた自分のポイントカードを差し出した
そうすると女性はあからさまに不機嫌になりその後のプレイが非常に事務的になった
僕はお客様のはずなのにどうしてそんな態度をとられなければならないのだろうか?
ポイントのせい?だとしたら余りにも理不尽ではないだろうか?
どうしてお金を払っている僕の方が嫌な思いをしなければならないのだろうか?
本当に本当に理不尽だと思う

         ・          

「ちょっと聞いてよ!さっきの客ケチ過ぎてビックリしたんだけど!」
「どうしたの?」
「フリーでショートのくせにリオのポイントまでケチるんだよ!」
「リオのポイント?」
「そう!あのオヤジ、ケチ過ぎる!もう二度と付きたくないっ!」
「 … 」
リオというのはうちのお店がよく使うラブホ
テルのことでそこにはポイントカードがある
ホテルを1回利用する毎に5ポイントもらえて、200ポイント貯めると1万円分の商品券と取り換えてくれるのだ
だからうちのお店の女の子たちはみんな自分のポイントカードを持っていて、そのポイントを貯めるのがちょっとした楽しみになっている
もちろんフリー、お店にフラッと来て写真で選ばれるより、電話で自分を予約してもらえる方が女の子の手取りが2千円も違う
更にショート60分よりもロング120分の方が…言うまでもなく女の子の手取りが違う

だからフリーでショート、更にリオのポイントもくれないとなると、女の子にとっては非常に嫌な客ということになるのである
「まぁでもそれでもお客様はお客様だからねぇ」
「そりゃそうなんだけどさぁ、でもムカつく
!だったら風俗なんかで遊ぶなってカン
ジよ!」
「まぁそれも一理あるかもね」
お互いがお互いのことを考えなくなるとこうなるのかもなって、ちょっと思ってしまった
考え方の相違ってヤツかな

         ・          

今日もあの店に行こうかなと思い始めている自分がいるのが解る
ずっと独りでも構わないかなって思っているのだけれども、やはり女の肌が恋しくなる
あの柔らかくて自分のとは確実に違うあの質感の…
ダメだ、もう我慢出来ない

         ・          

「こんにちは」
「あ…こんにちは」
今日もやっぱり来てしまった
この人も今はこんなに優しい笑顔だけど、僕がポイントカードを出したらまた急に冷たくなってしまうんだろうか?
「3300円になります」
「あ、ポイントカード出していいかな?」
「どうぞ」
あれ?今日の子はちょっと違う、僕がポイントカードを出しても笑顔だ
彼女はその後のプレイのときも優しかった
だから自然と僕も彼女に対して優しくなれた
「ここ、触ってみてください」
そう言われて僕は彼女の股間に手をおいた
「あ…」
「優しく触られるとそれが伝わって、カンジ
てしまうんです」
確かに彼女の股間は濡れていた
「…優しくされたら優しくなるんです」
「 … 」
「お互いに思いやれたら、きっともっと楽しいはず…」
彼女が何故そんなことを言ったのか、僕には
解らなかったけど…
彼女の股間が濡れていたことは確かだ

                end

2015年12月4日公開

作品集『日常。』第63話 (全70話)

© 2015 mina

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