作家の伊集院静が24日、死去した。73歳だった。妻で女優の篠ひろ子が同日、発表した。葬儀は近親者で営む。

 1950年、山口県防府市生まれ。立教大文学部卒業後、広告代理店に勤めた後、フリーランスでCMの企画やコンサートの演出などを手がけた。1981年、『小説現代』に『皐月』を発表し作家デビュー。1992年、『受け月』で直木賞を受賞。代表作に『機関車先生』。出身地を舞台とした自伝性の強い『海峡』三部作などがある。

 また、伊達歩の名で作詞家としても活動。近藤真彦にはデビュー当時から多数の作詞を提供しており、その中でも『愚か者』が1987年に第29回日本レコード大賞を受賞した。他にも『ギンギラギンにさりげなく』などのシングル・ヒット曲がある。

 今年10月、肝内胆管がんとの診断を受け、治療と静養のため執筆活動を休止することを明らかにしていた。

 近藤真彦の歌詞は誰もが知っているのではないか。言葉のセンスは独特でユーモラスでありながらどこか哀愁を帯びる魅力的なものがあった。心からご冥福を祈りたい。