作家で演出家の宮沢章夫が9月12日、うっ血性心不全のため東京都内の病院で亡くなった。65歳だった。

宮沢は静岡県掛川市出身で、1980年代に俳優の竹中直人やいとうせいこうらと共にパフォーマンスユニット「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」を結成し、作、演出を手がけた。1990年には劇団「遊園地再生事業団」を結成。主宰を務め、1993年に自身が手がけた戯曲「ヒネミ」が岸田國士戯曲賞を受賞した。2010年には『時間のかかる読書』(河出書房新社)で伊藤整文学賞も受賞している。

その後も、数々の舞台で作や演出を手がけたほか、エッセイや評論、小説などの執筆活動でも注目を集め、早稲田大学文学学術院では教授を務めるなど幅広い分野で活躍した。

20日、遊園地再生事業団が公式Twitter上で、宮沢がうっ血性心不全のため都内の病院で亡くなったことを報告。葬儀は聖イグナチオ教会で執り行われた。宮沢は心臓に持病があり、1か月ほど前から入院していたという。

宮沢は、サブカルチャーにも造詣が深くNHK Eテレで放送された『ニッポン戦後サブカルチャー史』の講師を務めたことでも知られる。小説『ボブ・ディラン・グレーテスト・ヒット第三集』(新潮社)など小説の執筆も手掛けた。