筑摩書房は2017年5月8日(月)、三鷹市内で開かれた第33回太宰治賞の選考会の結果を発表した。受賞作はサクラ・ヒロ氏の「タンゴ・イン・ザ・ダーク」で、6月に都内で贈呈式が行われる。賞金は100万円。
1964年に創設された太宰治賞は、吉村昭、加賀乙彦、宮本輝といった作家を輩出してきた公募新人賞だ。1978年を最後に一度中断されたが1999年に復活、それ以降も津村記久子や瀬川深などが受賞してきた。現在の選考委員は加藤典洋、荒川洋治、奥泉光、中島京子の4名となっている。
今回受賞したサクラ・ヒロ氏は大阪府出身の37歳男性。受賞作の「タンゴ・イン・ザ・ダーク」は、市役所勤務の主人公が火傷のショックから地下室にこもってしまった妻をどうにか戻ってこさせるべく、ゲームをしたり合奏をしたりタンゴセッションなどを繰り広げ奮闘する話だという。あらすじだけを読んでも期待させられる作品だ。
文芸誌の名を冠した新人賞の場合は当該誌が受賞作の初出となるが、太宰治賞では例年6月中旬以降に『太宰治賞20XX』と題した冊子が刊行される。受賞作だけでなく最終候補となった全作品をまとめて読むことができるので、そちらの刊行を待ちたい。
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