書籍取次大手のトーハンは2017年4月25日(火)、共通ポイントサービス「Ponta」「楽天スーパーポイント」「dポイント」とそれぞれ提携したと発表した。サービス開始時期は今秋を予定しており、取引先書店400店で導入される予定だという。

Amazonに代表されるようなネット通販の利便性がますます向上し、消費者の選択肢も多様化している現状にあっては、実店舗型小売店の多くが苦戦を強いられている。そこで現在の小売店においては、いかにユーザーを囲い込んでリピート率を上げるかが最重要課題となっている。

そのための施策が、Pontaなどの共通ポイントサービスの導入だ。異業種間を横断して利用できるポイントサービスが消費者行動にあたえる影響は大きく、所有しているポイントカードによって利用する店を選ぶという行為は今やめずらしいものではないだろう。今回のトーハンの決定も、書籍の購入において同じ効果が現れることを期待してのものだといえる。

まして書店は、ネット通販に押されている業種の代表格だ。代替品がどこにでも売られている商品を扱うだけに、独自のカラーを打ち出すことで店舗の差別化を図ろうにもアイディアには限度がある。昨年話題になった『文庫X』のような企画はどこの書店員にでも着想できるものではないだろう。ワンクリックで買えるものをわざわざ書店まで足を運んで買おうとするには、相応の動機が必要だというわけだ。

はたして共通ポイントサービスは、書店業界にとってのホワイトナイトになりうるのだろうか。秋以降の展開を注視していこう。