全国の文学館による共同展示『3.11 文学館からのメッセージ』が、3月1日前後より順次開催されている。これは全国文学館協議会の旗振りによって2013年よりはじまった企画で、 天災時ならではの文学のありかた、天災時だからこその文学館のありかたを見つめ直す展示となっている。5回目の開催となる今回は、北海道から九州まで計31の文学館が賛同した。

いずれの文学館でも興味深い展示が予定されているが、3.11関連の企画展示ということで、やはり気になるのは被災地の文学館だろう。仙台文学館は『文学に見る震災資料展』、岩手・日本現代詩歌文学館は『いくつもの想いをのせて―3.11と詩歌』、こおりやま文学の森資料館は『天災地変と文学』と題した展示を行う。また、昨年の熊本地震も記憶に新しいくまもと文学・歴史館でも『震災の記憶と復興エール』と題した展示が4月より行われる予定だ。

音楽やゲームと違い、書籍は電気がなくても楽しむことのできる娯楽だ。出版不況といわれて久しい昨今ではあるが、震災時において文学はまだまだ大きな力をもっているといえるだろう。未曾有の災害が立て続けに起きている昨今だからこそ、天災と文学の関わりにあらためて注目してみよう。

ほか、各館での展示内容については下記リンクにあるチラシを参照されたい。