一学期最後の日に渡された夏休みの宿題の山。その中でも読書感想文を見るとげんなりする子ども達。結局、好きでもない本を適当に呼んで、「~と思いました。~と思いました。~でした。~と思いました。これでおわりです。」と言う文章をとにかく描いて終わらせた、苦いと言うかどうでも良い記憶を持つ人も多いだろう(あるいは全くやらなかったツワモノも……)。今まで好きだった、伝記の坂本竜馬なりナルニア国なりホグワーツ魔法学校の面々なりが皆、原稿用紙の上の敵にまで見えてきたりする人も居るかも知れない。何にせよ今年も、多くの子どもが原稿用紙を前に頭を悩ませる、そんな季節がやってくる。

そんな中、ベネッセが小学生の夏休み読書感想文に関する調査を行った。小学生の子を持つ全国132人の親に対し、「夏休みの宿題で一番てこずるのは何か」「読書感想文の本選びは誰がやっているか」「本の選び方は」「選んだ本のジャンルは」などの質問を行い、その結果から近年の小学生の読書感想文に関する動向が見えてきた。

国語や算数のドリル、自由工作など様々な宿題があるが、小学生が一番悩む夏休みの宿題はやはり読書感想文で、34.2%の親子が選択した。誰が読書感想文の本を選ぶかと言う問いには、6割強の家庭が「子ども一人で」と答えていた。また選んだ本は子ども自身が自分で興味を持った本である家庭が多く、34.4%の親子が課題図書にこだわらない回答を行った。そしてもっとも子どもたちを引き付けている気になるジャンルは、恐らく多くの方が想像しているとおり、ファンタジー・冒険もの(28.8%)や文学小説(25.4%)であった。絵本も13%ほど獲得しているが、ライトノベルを選ぶ子も居た。意外にもミステリー・推理を選んだ子どもは、今回の調査では0人だった。

ベネッセが導き出した読書感想文の楽しい書き方のカギは、「読みたい本」を選び、さらに「感想を書けそうな本」を選ぶ事、であった。それが出来たら苦労しないよと言う子どもの声が聞こえそうだが、一度親子で本屋に行ってみたりするのも良さそうである。

 

しかし読書感想文と言うと、やはり紙の、手元にある「本」を想像する人が多いのだろうか?結局は手元で文章が読めれば良いのだから図書館で借りて書いた子も居るだろうが、近年は更に進んでパソコンやタブレットから青空文庫にアクセスして古典を読み金も足もかけずに読書感想文を書く高尚な子どもも居るかも知れない。

また、本屋や図書館に並んでいる本が読書の全て、と言う訳では勿論ない。殆ど人に知られていない無料のネット小説だと規定に引っかかる恐れがあるが、Kindleなどで売り出されてる電子書籍は読書感想文の対象として言い張れるかも知れない。例えば「混血テロル」なんかどうだろうか。これはとても読みやすくて、社会性もあり、良い本である。対象年齢は「識字以上」なので、小学生でももちろん読める。是非お勧めしたい。