商業出版も行う様になるなど変化を遂げ続ける破滅派だが、文学フリマへの参加は常に変わらず重要な目標である。そして最近は、東京のみならず各地方への参加も積極的に目指される様になっている。「文フリ」は東京だけではない。

8月末頃より、破滅派は大阪文フリへ向けて本格的な準備を始めた。誰が店番に立つのかという段になり、Juan.Bに白羽の矢が立った。更に幾人かが手を挙げ、最終的にJuan.Bと諏訪真がそれぞれ大阪に向かう事となった。Juan.Bにとって、大阪は幼少期以来、殆ど記憶にないアウェーの街である。期待と不安……が大して入り混じらず(Juanフアンだしな)ワクワクしながら、Juan.Bは24日夜、池袋のサンシャインシティ脇の高速バス乗り場にいた。当日は台風の影響も残り、雨が降ったりやんだりと不安定な天気、更に途中通るであろう静岡では水害が発生していたりと、高速バスの運行に不安がないでもなかったが……。

でけー

22時20分、Juan.Bを載せた高速バスは無事に出発し、翌日午前6時15分に大阪・梅田に到着した。Juan.Bはあくまで文フリ大阪への参加・対応のために大阪に来ているのだが、出来る範囲での観光も忘れない。文フリ設営のボランティアに参加するとしてもまだ約二時間ある。会場のOMMビルに近い大阪城公園を暫し散策した。

これもでけー

8時過ぎ、Juan.Bは文フリ大阪の会場に入り、設営ボランティアに参加した。机を並べ、シールを貼り、イスを配置し、列順の紙を貼り、そして何よりも重労働なのが荷物の配置だが、大勢の人々の協力により無事に終わった。何より、ボランティアに参加すると、少しだけ早く準備を行うことができる。その後、会場で諏訪真、曾根崎十三と合流し、本格的な準備が始まった。

設営

今回破滅派が販売するのは、佐川恭一『シン・サークルクラッシャー麻紀』、斧田小夜『ギークに銃はいらない』、高橋文樹『アウレリャーノがやってくる』という破滅派の商業出版三冊、それに所謂「紙の破滅派」のバックナンバー『小説の速度。』『追悼 山谷感人』『失われたアレを求めて』である。

設営完了

 

設営の間、アナウンスは、文フリ大阪の来場者の列が異様に伸びていることを伝えていた。そして午前11時、一般入場が開始となった。凄まじい勢いで入ってくる入場者。破滅派は会場端のA列20番に位置し、入り口から真正面に歩けば辿り着く位置にあった。文フリ東京では多くの知り合いがいるが、大阪での「破滅派」認知は未知数である。果たしてどれ程の人が来るのか?大阪に破滅派は受け入れられるのか?

そこに強力な助っ人が現れた。阪神にバース、破滅派に佐川恭一。そう、『シン・サークルクラッシャー麻紀』著者その人の佐川恭一である。

佐川恭一

佐川恭一はJuan.Bを「ビデオに映っていた人」と認識していた。ああ、そんなこともあったなあ、と思っていると、佐川恭一はすさまじい勢いでサイン本を量産していった。やはり著者に会えるというのは大きな効果があり、佐川恭一の本を始め破滅派の書籍を求めて多くの人がブースを訪れてくれた。更に、文フリ大阪の入場者数も、過去最多を更新していた。また、各破滅派同人のファンが名前を出して来てくれたり、以前文フリ広島に来てくれた方が再び大阪でも来てくれるといった嬉しい出来事もあった。文フリと言う場の醍醐味である。

午後17時、文フリ大阪は無事に終了した。終わって見ると、在庫は来た時の半分以下となり、売上も黒字を達成するなど、大阪でも破滅派の認知と活動が進められる事が示された結果となった。Juan.B、諏訪真、曾根崎十三らは後片付けを済まし、現地解散……する前に、一つ、行きたい場所があった。

Juan.Bと諏訪真が向かったのは、本町のtoibooksである。2019年に開業し、早くも有名になった書店であり、是非とも行ってみてみたい所だった。

toibooks

ここでは佐川恭一の書籍『シン・サークルクラッシャー麻紀』や、『舞踏会』『アドルムコ会全史』、また斧田小夜の『ギークに銃はいらない』、高橋文樹の『アウレリャーノがやってくる』も扱われている。破滅派同人として是非挨拶しておきたい書店であった。店主の磯上竜也氏に無事に挨拶することができ、丁寧かつ面白い書店もまた一つ知ることができた。

店主の磯上竜也氏

こうして、破滅派の文フリ大阪の参加は無事に終了したのであった。Juan.Bは、新幹線に乗る諏訪真と別れ、大阪の人波に溶け込んでいった。道頓堀に一度行ってみたかったのだ。大阪らしいものを食べたい……大阪王将?

 

無事終了の祝いにレモンサワーを飲んで、気が付くと、よく知らない場所にいた。

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破滅派は今後も、東京以外の地方で開催される文フリへの参加を目指している。いずれ皆さんにお目にかかる日が来るかも知れない。是非、文フリで破滅派に会おう。まずは次回の文学フリマ東京35で皆さんにお会いできるのを楽しみにしている。もちろん、同人として参加することも待っている。