大濱普美子の『陽だまりの果て』(国書刊行会)が9月29日、石川県金沢市が主催する第50回『泉鏡花文学賞』を受賞した。

泉鏡花の生誕100周年を記念し、1973年から始まり今年50回を迎えた。これまでに瀬戸内寂聴や野坂昭如、角田光代などが受賞してきた。

大濱は東京都出身でドイツ在住。2009年、「猫の木のある庭」(三田文学)でデビューした。『陽だまりの果て』は施設に暮らす年老いた男性が亡き家族に再会する表題作含む6作を収めた短編集。時空や他己の隔たりを超えて紡がれる、懐古と眩惑に彩られた幻想的な作品になっている。

賞金は100万円。授賞式は10月23日、金沢市民芸術村パフォーミングスクエアで開催される。