大阪・茨木市立川端康成文学館では、 2016年6月30日(木)まで『川端康成×芸術家たち―触発される創造の魂―』展を開催している。文学のみならず芸術全般への造詣が深かった川端は、芸術家との交流が盛んだったことでも有名だ。今回の特別展では、川端文学に影響をあたえた芸術作品を数多く取り上げている。

日本人初のノーベル文学賞作家・川端康成は、3歳から旧制中学卒業まで約15年間にわたって今の茨木市(当時は豊川村)に暮らしていた。最も多感な時期を過ごした地とあって、この街の風土が川端の作品に与えた影響は小さくないだろう。そうした経緯から1985年に創設されたのが茨木市立川端康成文学館で、遺品など400点以上を常設展示している。

今回の『川端康成×芸術家たち―触発される創造の魂―』展 は、毎年6月恒例の「川端康成生誕月記念企画」として企画されたものだ。川端を魅了した石本正の日本画や、『眠れる美女』をモチーフとした中井貞次の藍染め、林忠彦による川端自身の写真など、親交のあった芸術家や小説に影響を与えた芸術家たちの作品が約50点集められている。日本を代表する文豪のバックグラウンドに迫る展示なので、川端ファンならずともチェックしたい。