ペルーの小説家でノーベル文学賞受賞者でもあるマリオ・バルガス・リョサが4月13日、ペルーのリマで死去した。89歳だった。

1936年、ペルー南部のアレキパに生まれた。職を転々としながらも、リマやスペインのマドリードの大学に入学し博士号を取得した。1959年、短編集『ボスたち』でデビューし、次第に社会的な作家として頭角を現していった。1963年に初長編『都会と犬ども』を発表し、同作でビブリオテーカ・ブレーベ賞を受賞したのを皮切りに、スペイン語圏・南米圏の多くの文学賞を受賞し、ラテンアメリカ文学ブームの中心的役割を担った。また、1976年にはガルシア・マルケスを殴打する事件も起こしている。政治的発言なども積極的に行い、1990年にはペルーの大統領選に出馬したこともあったが、アルベルト・フジモリに敗れた。

ノーベル文学賞の候補者として長年名前があげられていたが、2010年に同賞を受賞したほか、2021年にはアカデミー・フランセーズの会員となっていた。

死に際し、日本を含む世界各国の出版社や、ペルー政府、スペイン政府などが追悼の意を表している。また、ペルーでは月曜日を服喪の日として半旗掲揚が行われている。