幸福の成立について

世界の存在と人間について(第3話)

山雪翔太

エセー

538文字

白鳥類は、幸福は個人が独占する物では無いと語る。

 幸福の成立について

 人の不幸の上に人の幸福は成ると主張する者がいる。無から幸福は成立せず、その幸福は必ず誰かの不幸の上に成り立っているのだという考え方だ。
 例えば、今私がこのノートに文を書くという幸福を得れているのは、このノートを製造した会社の社員達の労働という不幸から成り立っている、という事なのだろう。
 私はそれを否定する。
 自分の幸福。それは自分の不幸が形を変えた物なのだ。
 私は、幸福というのはこの世に存在しないと考える。
 例えば、自らが不幸になったとする。不幸という物は何も無い所から生み出される。
 そして、他人が自らの不幸を慰める。そうすると、それは幸福に変わる。また、他人が自らの不幸を一部受け持ってくれる事もある。それも、人に支えられるという幸福だ。
 その他人も、いつかは不幸を抱える。しかし、先程述べた事をされる事で、その他人も幸福になるのだ。
 幸福とは、一部が独占する物では無い。
 人々が、誰かの不幸を慰め合い、そして皆が支え合う事で、初めて幸福は生まれるのだ。
 私は、幸福を独占する様な人間にはなりたくない。それなら、私は不幸になった方がましだ。
 他人を思うのだ。そうすれば、他人も自らを思ってくれる。
 相手は鏡なのだ。善行をすれば善行が返ってくる。悪行をすれば悪行が返ってくる。

2023年3月7日公開

作品集『世界の存在と人間について』第3話 (全6話)

© 2023 山雪翔太

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