日常。(54)

日常。(第47話)

mina

小説

1,421文字

僕は素人童貞だ
僕は今まで、この歳になるまで、女性と付き合ったことがない
「 … 」
僕は明日で48歳になる
会社では課長と呼ばれ、部下もいる
僕は知ってる
周りのみんなが『何故結婚しないんだろう』と囁いていることを
『男が好きなんじゃないか?』とか『とんでもない性癖が…』あるんじゃないかとか…噂されていることを
「 … 」
確かに僕はプロとしかシタことがない
それは…イケないことなんだろうか?

         ・          

「素人童貞のおじさん?」
「そう、風俗一筋47年だってさ」
「何か…スゴいんだかスゴくないんだか解んないね」
「僕、素人童貞なんですって最初に言われてさーヤバい!超ハードサービス要求されんのかなぁって思ってたら、至って普通でさー」
「普通?」
「そう、別に普通のおじさん」
普通のおじさんかぁ…でも素人童貞とか言われちゃうと普通じゃないカンジがするなぁ…

何でだろ?

         ・          

僕の初体験はヘルス嬢だった
ヘルスというところではセックス=本番行為は無しだと聞いていたのに、僕が『女性とシタことが無いんです』と告白したら、そのときお相手してくれたお姉さんが僕の上に乗って…
「初めてなんでしょ?挿れてアゲル」
って言ってきた
僕の初体験はこうして年上のお姉さんに奪われ、その後も口ベタでイクのが遅い僕はお姉さんたちを困らせるみたいで…
僕は何人ものヘルス嬢とセックスしてきた
「 … 」
年上の女の人たちは僕にいつも優しかった
僕はそれで良かったと思っている

         ・          

「今日素人童貞のおじさん、アンタのこと予約してるわよ」
「え!?何で解るの?」
「さっき店に電話来てて聞こえちゃったのよね」
「…普通のおじさんなんでしょ?」
「まぁね」
何となくイヤだなぁ…素人童貞のおじさん
プロばかり相手にしてるから風俗グルメっぽくてサービスに点数とかつけてそうだし…ネットとかにレポートとか書きそうだし!
「ヤダなぁ、もう!」
「大丈夫、大丈夫」
どんな人なんだろうなぁ、全く

         ・         

「こんにちは、はじめまして」
「こんにちは、よろしく」
どんな人なんだろう?とドキドキしていたら優しそうなちょっと小太りのおじさんで身なりもキチンとしてるし…とりあえず安心した
「僕、今日誕生日なんだ」
「えっ!本当ですか?」
「うん、48歳になるんだ」
「おめでとうございます!」
「ありがとう…でね、僕ケーキ買ってきたから一緒に食べて欲しいんだ」
「…食べましょう!一緒に」
「ありがとう」
そう言ってはにかんだおじさんの笑顔が可愛かった

私はおじさんと一緒にケーキを食べた
私が好きなお店のケーキだったから、自然と笑顔になった
「嬉しいなぁ、こんなに楽しい誕生日は久しぶりだ」
「良かった」
「…僕はこうやってもっと…」
「 ? 」
「楽しく女性と会話がしたかったのかも知れないなぁ」
「私で良ければいつでも相手になりますよ」
「ありがとう」
私とおじさんはイヤラシイことを一切せずにイチャイチャしながらおしゃべりしていた
おじさんも楽しそうだったし、私も楽しかった
別れ際、おじさんは私にキスをした
すごく気持ちがイイ、甘いキスだった
私はものすごくカンジて…イッてしまった

               end  

2015年6月22日公開

作品集『日常。』第47話 (全70話)

© 2015 mina

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