日常。(56)

日常。(第49話)

mina

小説

1,475文字

毎日毎日仕事で、1日も休みがなかった
月火水木金土日…毎日決まった時間に起きてお風呂に入り朝食、肌が荒れたら嫌だからキチンとスキンケアして、下地クリームを顔にまんべんなく均等に塗る
肌を明るく魅せたいからファンデーションもフェイスブラシを使って、顔にタップリのせつつ均一に…
「…腰が痛いなぁ…」
…って独り言も毎日言ってる気がする

         ・         

天気は今日も快晴、毎日この時間に起きるのが1番気分がいい
そう、毎日同じ時間に起きて、いつもと変わらない日常を過ごす幸せが、とても心地よい
「さてそろそろ行くか」
僕の日課の1つであるガーデニング、最近これが妙に楽しい
「おっ」
庭で栽培しているローズマリーが中々いい出来だ
「これは誰かに見せたくなるなぁ」

         ・          

お店に出勤すると店長が今日の私の予約状況を教えてくれる
「今日は最初にネット指名イナガキ様120分、その後本指名キムラ様90分と続いてますよ」
これも毎日のことなんだけど、店長に何も言われない日とかはけっこうキツい
長い時間「待機」してると嫌なことばかり考える
風俗のお仕事はお客様を接客してナンボの商売なので、「待機」と呼ばれるお客様から指名が入るのをただただ待っている時間というのは毎日辛い
『自分は必要とされてないんじゃないか?』とかすぐ考えちゃう
そんな「待機」の時間から、仕事から…解放されたいなぁっていつも思っちゃう

でも働かないと生きていけない
でももう…疲れたなぁ

         ・          

そこに立って待っていたのは初老のおじさんだった
「こんにちは」
「はじめまして」
清潔感のあるちゃんとした人だったので、私は安心して腕を組み、ホテルに入った
「あ、そうだ」
「 ? 」
「これを…」
そう言っておじさんが差し出したのはきれいなスカイブルーの封筒だった
「何ですか?」
「開けてみて」
「 … 」
開けてみると中には同じスカイブルーの便箋1枚と…
「…コレって?」
「ローズマリー」
「ローズマリー?」
「手に持って軽く握ってごらん」
「…はい」
おじさんに言われるがままに、封筒の中に入ってた草?を手で軽く握ってみた
「香りを嗅いでごらん」
「あ…」
すごくいい香りが私の手の中にひろがって…
「いい香り」
「それはね、僕が育てたハーブなんだ」
「すごいですね!」
「すごくないよ、便箋の方も読んでみて」
「はい」
そこには「一期一会」って書いてあった
「今日の出逢いを大切にしたいからね」
そう言っておじさんは私の服を優しく丁寧に脱がせはじめた
「私も脱がせてあげないと…」
「僕はいいんだよ、自分でやるから」
ローズマリーのいい香りが部屋に広がり、優しく丁寧なおじさんの態度に私はすっかり心を許し、リラックスしていた
「私…何もしてないんですけど…」
「いいんだよ、君はこのままで」
裸にした私をおじさんはベッドに寝かせ、手の指から丁寧に舐め始めた
「あっ…」
おじさんの舌は手の指からひじ、腕、腋の下へとゆっくりと移動し、私はその丁寧で優しい舌使いにすごくカンジてしまっていた
「あの…」
「…余計なことは考えなくていいよ」
「でも…」
「大丈夫そのままで…」
私はすっかりおじさんのペースにハマり、舐められることを愉しんでいた
そしておじさんの舌がクリトリスを優しく舐め始めたとき…
「あっ…!」
私はこのとき解放されたような気がした

                end

2015年7月7日公開

作品集『日常。』第49話 (全70話)

© 2015 mina

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