肩をすくめるバルバロイ

応募作品

Juan.B

小説

4,513文字

※2019年3月合評会参加作品。
※一部経験を含むフィクションである。
※作中に登場する「故・T氏」は2018年3月に、40または41歳と言う若さで死去した。私は彼から少なからぬ影響を受けた。 R.I.P.

「キミと言うのは本当に……」

精神の摩耗した俺の目の前では、太った上司が、その体格からは想像できない引きつった声で何かを俺に言い続けている。

「はあ」

上司は書類を側に放るように置き、おちょぼ口で再び俺に言葉をぶつけ始めた。

「キミの仕事、エッ、人生に重みと言うものはあるんか? エエッ? 」

お説教タイムだ。三人きりしかいないこの現場事務所で、この上司はいつも俺を目の敵にする。俺は特定派遣だから、二重に頭が上がらない構造になっている。そして、この上司は自分が人格者だと思い込んでいる。粗悪な……映画の寅さん、漫画の両さんだ。上司は脇にある低カロリーお菓子の袋を俺につき付け訳の分からない事を言い始めた。もう一人の、俺と同じ派遣元で後から来た男はぼんやりと下を向いている。

「良いか、立場分かっとるんか、キミ低タンパク高カロリーか、エッ、お前、お前、こんな注意して貰えて有難いと」

「はあ、どうもすみません、しかしCADの確認ではこれで良いと」

「お前ッ派遣から6ヶ月も居て自己判断出来んのか、エッ、職場のイロハ、コミュニケーシ‟ヨ”ンとったんか、ほらお前ここ書いてあるの分るか、お前ここでは低たんぱくも高たんぱくに、高カロリーも低カロリーにならんとダメだ、エッ……」

上司は菓子の袋をパンパン叩き、その度菓子クズが机に飛んだ。その時、上司の机の電話が鳴った。

「ハイッ、北州電設のシバヤマですゥ……座れッ」

上司は嫌らしそうに手を振り俺を解放した。時折入ってくるエッとか言う言葉が頭から離れない。椅子に座りしばらく待つと、電話を終えた上司が今度は机の斜め越しに引きつりピイピイ聞こえる声で、また何かを言い始めた。

「お前、言いたくないが、何だ、ハーフだからなのか? 」

何が言いたくないのか?何がハーフだからなのか?それならお前が日本人だからなのか?お前のさっき言ってたコミュニケーシンとやらはどこ行ったんだ?欠如しまくった言葉の前に俺は顔色を失いながら、真正面の同じ派遣元の男の方を微かに見やった。彼は黙って口を半開きにしながらPCを見つめている。

「おい、何も言えんのか、お前……人生空っぽ……アーッ、次これヤレ」

一体この男がさっきから喚いてる事は何なのか理解出来ない。俺が受け取ると、上司は本を取り出しこれ見よがしに読書し始めた。表紙には「『肩をすくめるアトラス』で学ぶゼネラルウルトラマイティニューマネジメント」とある。俺は社会と言うものが嫌になった。俺は受精して以来、ろくなことがない。日本と、社会と、上司が嫌いな、小汚い惨めな混血だ。何より自分を説明できる言葉を持てないことが、ますます俺の立場を悪くしていた。

 

~~~

 

テレビでは、海外のドキュメンタリーの邦訳が流れていた。そこには四人の顔写真が写っている。左端にはガンジー、右端にはキング牧師、その間の2人は……誰だか分からない。

『多くの人は、インド独立と言えばガンジーを思い浮かべますし、公民権運動と言えばキング牧師を思い浮かべます……しかし、彼らの影となる場所に、対になる人物が居ます』

俺はベッドに横になってテレビを見つつ、時折スマホのツイッターを見やっていた。中心の良く知らない二人の肖像がCGで浮かび上がり、黒人の壮年俳優が二人の肖像を見つめつつ語っている。笑顔を微かに浮べる黒人と、聡明な表情のインド人……。

『アンベードカル博士はガンジーのカースト制度に対する漸進的な見解に反対して二千年以上に渡る宗教的差別への徹底的な戦いを表明しましたし、マルコムXはキング牧師に代表される非暴力的な運動を否定し白人社会への挑戦的な活動を訴えました』

俺はスマホから目を移しテレビに映る二人の肖像を眺めた。

『ガンジーとキング牧師は、一般的に支配者と自分達の同一性を訴える論理を持っていました……対してアンベードカルとマルコムXは、異なりを強調する立場にありました……現代において、前者に対し後者の名は広く知られているとは言えませんが……』

途中から見始めたので、具体的に何を説明している番組か分からない。だが、急にスマホを見ているのが恥ずかしくなった。スマホから色々な情報が入ってくるが、同時に牙を抜かれている感じもする。改めて知る問題もあるが、それへの対応は年々矮小化されている。ツイッターでの怒り方はみんな知っているが、誰も火炎瓶の作り方を知らない。自称フェミニストは無邪気にハーフを攻撃し、ある仏僧は朝鮮への蔑視政策を煽っていた。この様な状況は進歩だろうか。電撃的に広がっていくイメージを、突如一件のメール通知が書き消した。

Re:相談の件』

 

~~~

 

清潔な部屋の清潔な机の前で、俺は小汚い私服姿で座っていた。

「リラックスして、聞いて下さい……ではまず……」

向かいに座る白髪交じりの女は、WAIS-3と言う知能テストの説明を読み上げ始めた。特段心に浮かぶことは無かった。いや、あるにはあるが、雑念ばかりで説明できる感情ではなかった。

「……質問はありますか」

「いや」

女は頷いて、キットを弄り始めた。実の所、疑問はあった。WAIS-3に限らず、精神や知能の検査と言うものは……控えめに言っても、ある社会の一般的な層しか推し量れないのではないか?白人と黒人、名門大卒と夜間中学履修者、イギリス人と日本人、オスとメス、日本人とハーフの「知・心・病」は同じなのだろうか?逆に差別され、作り出されている物があるのではないか?……それとも俺の考えは杞憂や傲慢なのか。単に「じぶんさがし」や「日常の困り具合」を図る検査にそこまで突っ込むのは野暮なのか。俺は深く息をついた。

「そう、リラックスして……」

俺の息が悪かったのか女は静かにそう言いながら、衝立を机の上に置き、何かのカードを取り出した。

 

~~~

 

検査を終えた後、俺は大学心療センター待合室で、驚きとともにある本を手に取った。「増補 不登校、選んだわけじゃないんだぜ!」。この著者の一人、反学校論者にして極左の故・T氏を実は直に知っていた。増補される前の本を読み、ネットで反学校論について語り合った事がある。故・T氏とは様々な意見の相違もあったが……。懐かしい文章を読みつつ、有る部分に目が付いた。「社会に何らかの形で貢献」出来る時にだけ、不登校児の物語は輝き、美化される。明るい不登校の物語」は許容される。某フリースクールもそれを押し出している。体制に反発しない時にだけ、僅かな立場が与えられる。にんにくが「無臭にんにく」化される時、それはにんにくにとって解決なのだろうか?にんにくは喜んで良いのだろうか?……依然多くの不登校児は隠蔽されている。そして「登校拒否は病気だ。登校拒否は暴力を生む。登校拒否はひきこもりにつながる。登校拒否は不自由だ。そして、そのようなものとしての登校拒否を肯定するのだと。

 

俺は本を閉じた。無臭ニンニク!あの上司の言っていた訳の分からない言葉に繋がる。俺は不登校児ではなかったが、社会に適応出来なさそうな面では似たような身分だ。俺は何をすべきだろうか?俺は俺を肯定できるだろうか?さっきの部屋に戻って知能検査のキットを破壊しようか?……と思ったが、それは出来そうになかった。俺は俺の感情すら説明できない。俺はテレビに出るようなキラキラした混血ではない。だが仮に俺が言葉を持っても受け入れられるのか?ギリシャ人は異邦人に対し、その言葉がバルバルとしか聞こえないと嘲笑ってバルバロイ(=野蛮人)と呼んだ。俺にはわび・さび、花鳥風月、風流、ますらおぶり・たおやめぶり等と言った日本的情緒など沁み込んでいないのだから、共感を求める事も出来ない。俺が詠む歌はこうだ。

 

ヤれ倒せ 殴り蹴飛ばせ 日ノ本を 皆も穢れよ 混じり蔓延れ

 

~~~

 

検査から数週間後。派遣元会社の一室で、俺は椅子に座らされている。一年半前、面接を受けた部屋だ。特定派遣の担当としての上司と、別の女が俺の検査結果を眺めていた。歪なグラフを見つつ、派遣の上司は声を上げた。

「才能があるんだネェ、ン? 」

「はあ」

「それで……君は頑張れるかな?」

何が、かな?

「……いやァ、面接の時から不思議な人財……そう思ってたんだよね、ウン、頑張れるよね」

「……はい」

「社会人として一人前になると言う事は頑張りも必要だからネ、それに君はやはりハーフだから、色々大変だとは思うけども、頑張って欲しい」

一人前……ハーフは半人前か。そして更に俺の歪なグラフからすると、診断など下ってないがやはり何か「常」でない部分がある様だ。半人前の半人前。四分の一人前、0.25人前か。俺はまだ雇われている事に感謝しないといけないのか。俺の言葉や思想は常人の半分や四分の一、いや更に未熟で小汚い若造として八分の一や十六分の一の価値しか持たないのだろうか?その時、隅に控えていた派遣元の女性社員も口を出した。

「私も、君ならもっと頑張れると思います」

おお、頑張ろう。だがそれは高タンパク低カロリーの優良食品や、特徴を失った無臭ニンニクとしてではない。俺は俺だ。俺は社会的にはダメだ。どうしてダメかは知らぬ。俺のせいかも知れないし、社会のせいかも知れない。人生論本のように断言はしない。

「ウチはね、ほらさっき言った通り人財、財はザイサンだからね、社員に色んな形で輝いて、シャインして欲しいんだよね……良いかな? あ、後これは有休には入らないからどこかで穴埋めに土日入って……」

「はい」

俺は返事をし、深々と礼をした。

「期待してるよ、じゃ」

上司は企業ドラマぶっているのか、八分の一社会人の俺の肩に手をポンと乗せた。重い……だがこの重さは架空だ。架空の重さだ。もっと社会には生々しく、禍々しく、だが誰をも拒まぬモノが溢れているべきだ。俺は廊下を歩きながら人生の決断を早回しする。俺は痛罵され、嘲笑され、福祉の対象とされ、監獄に収容されるべき存在かも知れない。丸の内の十階辺りからの風景はビルだらけでつまらない。俺の言葉は半人前やそれ以下の価値しか持たないのだとしたら……しかし!ある言葉に、半分や四分の一と言う価値が付くのだろうか?日本人の言う「私は人間です」は百点満点で混血や障害者の言う「私は人間です」は70点や28点、と言う事があるのだろうか?差を認めるなら、俺はある時は8分の1かも知れないが……何かを言う時、一分の百かも知れない。言葉にならない感情が溢れる。俺とお前が同じなのか、異なるのかも断言など出来ない。だが、とにかく俺は一分の一だ。まず、俺のみじめな輪郭だけでもハッキリさせよう。世の中を生々しくする為に。

 

俺は丸の内のオフィス街に出ると、目と鼻の先のビル一階にある小さな郵便局に入った。破ったルーズリーフ1枚に定型文を書いて、目と鼻の先の派遣元本社ビルの住所をスマホで調べた。そして、くたびれた局員が座る窓口へ向かった。

「内容証明郵便を出したくて……ええ、退職届なんですがね! 」

 

(終)

2019年3月15日公開

© 2019 Juan.B

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"肩をすくめるバルバロイ"へのコメント 13

  • 投稿者 | 2019-03-16 11:55

    「キミの仕事、エッ、人生に重みと言うものはあるんか? エエッ? 」
    上司の漫画感を出すならもっと凝った方がいいと思った。

    低タンパク高カロリー
    というお題に少し惑わされている感がするが、

    俺は受精して以来、ろくなことがない。日本と、社会と、上司が嫌いな、小汚い惨めな混血だ。何より自分を説明できる言葉を持てないことが、ますます俺の立場を悪くしていた。

    だが仮に俺が言葉を持っても受け入れられるのか?ギリシャ人は異邦人に対し、その言葉がバルバルとしか聞こえないと嘲笑ってバルバロイ(=野蛮人)と呼んだ。俺にはわび・さび、花鳥風月、風流、ますらおぶり・たおやめぶり等と言った日本的情緒など沁み込んでいないのだから、共感を求める事も出来ない。俺が詠む歌はこうだ。

    ヤれ倒せ 殴り蹴飛ばせ 日ノ本を 皆も穢れよ 混じり蔓延れ

    この変がとてもサマになっている。どんどんサマになってきている。ただお題の裁き方には?となった。

    • 編集者 | 2019-03-26 13:14

      参加できない可能性があるため、
      便宜上、一番上の牧野さんのコメントに返信する形で、コメントメモ的なものを掲載します

      3月破滅派
      ・7割か8割は事実の告白である。時系列や会話の内容を変えている。自由タンパク自由カロリーである。
      ・今回はなるべく内面外の固有名詞を出さないようにした。天皇とか政府とか。一部名前が出ないのも全ては過ぎ去っていった人々だから。それにこの小説は一人も(作品内での)死者を出さなかった。終わり方が平凡?に見えるのもそのせいか……。

      ・支離滅裂に見えたり粗雑に見えるのはむしろそう書いている。これば残念ながらというか個人の事実である。「言葉を持てないことが状況を悪くしている」旨書いている。コミュニケーションが取れないこと自体を作品に織り込んでいる。そしてそれが彼のせいなのか社会のせいなのかそれともそこらに溢れる思い込みに過ぎないのか……。ただ、俺は俺がもう一人いたら嫌いになるでしょう。
      ・検査のシーンに深く入らなかったし、コメントでもあまり触れてない。言葉の価値の問題は最近自分の中で大きな問題である。だが、俺の中で答えは決まっている。八分の一であり、一分の一であり、一分の百である。
      ・上記2つに付随して、作品内で明らかにしていないテーマもある。混血や帰国子女にある「ダブルリミテッド」問題である。だが、詳しく書けなかった、それ自体が失敗ではあった……。
      https://twitter.com/greatjuanism/status/1107506936553992193

      ・有名著者でも(俺から見ても)「心情が粗暴で理解できない」描写がある作品は多々ある。それが作者の単にへたくそ自慰文なのか、俺の読解の無さなのか分からぬ。プロレタリア小説も今の世情だと「自意識過剰」「何に怒ってるのか不明」で切り捨てられそうだ。が、彼らの意味不明な怒りもエネルギーではある。
      ・コメントは全てありがたい。谷田さんや藤城さん始め叱咤かつエールのコメントありがたく頂いた。

      著者
  • 投稿者 | 2019-03-20 01:15

    太った上司、テレビドキュメンタリー、検査、故・T氏、派遣担当の上司……自身を取り囲むノイズにさらされて、「俺」はひどく無力だ。その最終決断が定型文の「退職届」とは!(このあと何かしでかすかもしれない) 他者との関係において見出すのは、自分もまたひとりの他者にすぎず、出自から受ける不当な扱いを背負っていかねばならない重々しい足どり。「私は人間です」「俺は一分の一だ」などの言葉が胸を衝く、社会の中における疎外を諧謔を混じえて語った読みごたえのある作品です。

  • 投稿者 | 2019-03-22 16:56

    フアンさんの意図は異なるかもしれませんが、僕はこれを青春小説として読みました。混血の問題から、きっと誰もがもつ「孤独な個人の弱さ」という普遍性をもった問いへと引きずり込まれるような感覚があり、安直な言い方にはなりますが、僕はこの小説にとても共感しました。自らの価値を数値化されることを拒み、単独者としての自分を確認し、前へと進む決意をするラストは、もちろん前途多難であるだろうにもかかわらず、希望を感じさせる、すっきりとした読後感が広がりました。とても良かったです。

  • 投稿者 | 2019-03-23 01:01

    泡を吹く怒りの咆哮ではなくて、片っ端から破壊する拳でもなくて、喉の奥から不意に上がって来る胃液のような、胸の奥からじわじわ滲んで来る血痰のような「俺」の呟きでした。「半人前」であり「混血」であり、「己を語る言葉を持たない」青年の呟きに心を打たれます。
    上司や同僚こそがバルバロイに見えるほど、コミュニケーシヨンが成立していない職場の描写も面白かったです。
    「正しい被災者」「正しい障害者」「輝く混血」等々のくだりは興味深く読みました。作者としては強烈なモチベーションになっているとは思うものの、この作品においてはあまり重要な役目を果たしていないように思えました。読み捨て御免。

  • 投稿者 | 2019-03-23 03:17

    タイトルが素晴らしいと思っただけに、ちょっと期待しすぎてしまいました。
    主人公が抱えている「のっぴきならないもの」が伝わってくるだけに、むしろ徹底的に「コメディ」に仕立てるとか、一回転ジャンプしたほうが、よりシニカルな表現になるのではないかと思いました。

  • 投稿者 | 2019-03-23 12:39

    『肩をすくめるアトラス』自身も長い間、黙殺されてたんですけど、陰が日向に出てきた感じがします。不安定に揺らいでますね。郵便局でコピーがとられたルーズリーフの退職届を思いながら

  • 投稿者 | 2019-03-23 16:30

    今までが異常だっただけで、これから日本でも多様な人種が社会を担っていくとは思うのですが、やはり、こういう問題は実際に経験しないと分からないことは多々あると思います。そういう意味でもこういう物語はたくさん語られていい気がします。ただ、T氏とのエピソードがもう少しあると深くなったのかなと思います。

  • 投稿者 | 2019-03-24 14:52

    作品内容を見事に表した秀逸なタイトルです。混血であるが故に社会から理不尽な扱いを受けたものにしか書けない忿怒のようなものを感じました。若干お題との結びつけに強引さを感じましたが……悲しいことにいまだ「十円五十銭と言えぬものは」的な観念が日本を覆っているんですよね。ネット社会によってさらに顕著化したとも感じることがあります。

  • 投稿者 | 2019-03-24 18:50

    まずタイトルがとてもいいですね。
    そして上司の口調も、むかつくけど軽快で、私はおもしろく読みました。ので、正直言うと、このノリのまま駆け抜けていってほしかったかな、と思いました。
    それ以降は、Juan.Bという青年の叫びを硬い文章に閉じこめ、いわば武装して挑んでくるような、失礼な言い方をすれば押し付けてくるような風にとらえてしまいました。お題にも読者の心にも沿おうとせず、「いいから俺の叫びを聞け」といった、力強いのだけれどもどこかで一般読者との齟齬を生むような、申し訳ないけども、そんなふうに感じてしまいました。
    でも「無臭ニンニク」が出てきたのにはおお、となりました。ひとつの矛盾の喩えとしてうまく機能していると思います。ちなみに私はクッサイクッサイニンニクが大好きです。クッサくないニンニクに何の価値があるのかと思いますね。

  • 投稿者 | 2019-03-25 01:32

    すでに他の方々がコメントされていますが、タイトルのセンスがとても良いと私も思いました。肩をすくめながらそれでも怒りや憎しみに燃えるバルバロイ。
    ただ、私が作者のバックボーンなどを知らない一読者であるせいなのか、もちろん単純に勉強不足なせいもあるかもしれませんが、読んでいてどこかバルバロイに拒絶されているような印象を受けました。読み手を拒絶するほど書き手にとってはおそらく切実なテーマに支えられているが故のことだと思います。しかし作品をとおして、その文章やメッセージやテーマをしっかり読みこみたいと思わせるものがあったので、作品にもう少し近づけたらいいのになと思いました。

    出口の見えない怒り苦しみが読んでいてこちらまで辛かったので、最後退職願を出すシーンで終わったのは個人的にホッとしました。それがたいした救いにならないとしても、環境の変化が何らかの変化を少しでももたらしてくれますように。

  • 投稿者 | 2019-03-26 02:03

    こういう社会批判モノは固有名詞をバンバン出して現実を不謹慎に揶揄する手法が適している気がする。常野雄次郎と名前を出さずに「故・T氏」とした無益な配慮。モーガン・フリーマン(当てずっぽうだけど)とせずに「黒人の壮年俳優」とした一般化。「自称フェミニスト」しかり「ある仏僧」しかり。上司の言葉も敵意がわくというよりは、意味不明なたわ言として空転するばかりだ。個人の主観と類型と一般論でしか語れない言葉の刃は鈍い。今の現実に存在するもっとも醜悪なものをもっとも精細に写し取れる筆力が欲しい。

  • 投稿者 | 2019-03-26 08:37

    青春小説としてまぶしい。ひとつだけ気になったのは、丸の内にはビルの1階の郵便局はひとつしかなく、それは小さくないということぐらいです。

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