文芸・カルチャー関連を扱う出版レーベル立東舎が2月13日に、「乙女の本棚」シリーズ第37弾となる谷崎潤一郎+夜汽車『二人の稚児』を発売。

 立東舎は音楽関連のメディア事業を手掛ける株式会社リットーミュージック内の出版ブランド。文芸、マンガほか、さまざまな分野のポップカルチャーを紹介する出版活動を展開している。「乙女の本棚」は、文豪の名作に現代のイラストレーターが自由な感性でイラストを添える、絵本感覚で楽しめるコラボレーション・シリーズ。

 谷崎潤一郎は1886年東京生まれ。同人雑誌「新思潮」(第二次)を創刊し、「刺青」などを発表し、近代日本の文壇で活躍した文豪。「乙女の本棚」シリーズでは本作のほかに、『刺青』(谷崎潤一郎+夜汽車)、『魔術師』(谷崎潤一郎+しきみ)、『秘密』(谷崎潤一郎+マツオヒロミ)がある。

 夜汽車は、イラストレーター。少女を描くことと19世紀末の挿絵画家を好む。懐かしいような落ちついた雰囲気のイラストを目標に制作している。著書に『人でなしの恋』(江戸川乱歩+夜汽車)、『夜長姫と耳男』(坂口安吾+夜汽車)、『おとぎ古書店の幻想装画』、『Illustration Making & Visual Book 夜汽車』など。

 『二人の稚児』は、比叡山で育った千手丸と瑠璃光丸、幼い頃からいつも一緒だった二人のそれぞれの運命を描く作品。ノスタルジーを感じさせる美しい作品で常に大きな話題を呼ぶ人気イラストレーター・夜汽車が、描き下ろしで多くのイラストを制作した。オールカラーで、小説の世界をより豪華に楽しむことができる仕様になっている。