有名なホームページ制作・管理サービスの一つである「Yahoo!ジオシティーズ」が2019年3月末にサービスを終了することとなった。ヤフージャパンが10月1日に明らかにした。

ジオシティーズが誕生したのは1994年のアメリカである。当時は有名なWindows95もImacもなく、インターネットは未だ黎明期と言える状況にあった中で、手軽にホームページを制作し情報発信できる仕組みを作ったジオシティーズはたちまちインターネット初期の大手サービスの一社となった。そして1997年には日本でもサービスを開始し、日本でも人気を博し多くのホームページが制作された。2000年にYahoo!ジオシティーズとなっている。

アメリカでの発祥から24年、日本でのサービス開始から数えても21年と長期に渡りホームページ作成・管理のサービスを続けてきたが、時代の流れや様々な要因の中で旧来のサービスの維持は難しくなり、サービスを終了することとなった。なお、アメリカなど他国のジオシティーズは既に2009年にサービスを終了しており、日本のジオシティーズだけが存続していた。

ジオシティーズで公開されていたホームページの今後や現状の有料サービスについては、公式ページにおいて他社サーバー・ドメインへの移行などを推奨している。ジオシティーズは多くの情報が消えかねないことを承知し憂慮しており、「インターネット上に残された多くの遺産や、現在も積み上げられている情報の蓄積が消えてしまうのはインターネットを愛するスタッフ一同としても残念な思いでいっぱいです」と語るとともに多くのサイトが他サービスで継続することを願う旨記述している。

ウェブログやSNSの登場と進む時代の流れの中で、これまで(サーバーの破損など物理的な要因は別として)公開し続ける限り良くも悪くも半永久的に情報が残る・それを参照できると考えられていたWWWにおいても、サービスその物の停止により大量かつ広範に情報が消え去っていく事例が度々起きている。2010年にはinfoseek iswebが、2016年には@niftyがサービスを終了するなど他にも多くのサービスが終了しており、数十万件単位のホームページが消失したと考えられている。無論、個人によるバックアップやインターネットアーカイブと言った記録が残る場合もあるとはいえ、依然多くの情報が消えてしまうことには変わりはない。筆者もかつてジオシティーズを利用したことがある身としてかなりの寂しさと、出来る限りの記録の重要性を感じている。

なお、閉鎖を伝える公式告知ページは、普通の表示だけでなく、2000年頃のホームページを思い出させるような手作り感のある体裁に変更することもできる。告知分末尾の、青白い光が渦巻いている画像をクリックすると変更できる。愛の籠ったファンサービスと言えよう。ジオシティーズ閉鎖に関する詳しい情報は下記サイトを参照のこと。