2017年10月23日、北海道日本ハムファイターズは一般社団法人北海道ブックシェアリングに895冊の書籍を寄贈したと発表した。これは2014年から同球団が展開している読書促進キャンペーン「グラブを本に持ちかえて」の一環で、寄贈された書籍は北海道内の図書館・保育所・公民館等に提供される予定だ。

47都道府県で最も人口密度の低い北海道は、慢性的な書店・図書館不足の状態にある。2017年現在、全179市町村のうち3割以上の自治体に書店が存在せず、4割以上の自治体で公立図書館が設置されていない。こと北海道に関しては、巷間叫ばれる「活字離れ」以前の問題として書籍そのものが足りていないのだ。

そこで立ち上がったのが、すっかり北海道の人気野球チームとして定着した日本ハムファイターズだった。2014年に「グラブを本に持ちかえて」 キャンペーンを始動すると同時に、札幌ドームでの公式戦開催日にファンから読み終わった書籍を持ち寄ってもらい、シーズン終了後にまとめて北海道ブックシェアリングへ寄贈するという活動を継続している。真の意味での地域密着のありかたを示した好例といえるだろう。

ただ、昨年1,716冊もの書籍があつまったという事実を踏まえると、今年の冊数は少々物足りないかもしれない。11.5ゲーム差からの大逆転優勝を果たし10年ぶりの日本一の栄冠まで得た2016年シーズンに対し、2017年シーズンのファイターズは序盤から10連敗を記録しずっとBクラス生活をつづけた。 チームの成績と客足はどうしてもリンクしがちだが、寄付される書籍の冊数にも如実に反映されるようだ。

より多くの書籍を道民に届けるためにも、来シーズンのファイターズの飛躍に期待したい。