第10回日本SF新人賞を受賞した天野邊あまのほとりが今年10月4日に警察による脅迫を受けていたことは、当はめにゅーでもお伝えし、多くの反響を頂いた。天野邊はこの様な事態にあっても、怯まず創作と思想の発信を行っている。

その彼の日本SF新人賞受賞作である「プシスファイラ」が、Kindle版電子書籍として生まれ変わり12月22日にリリースされる。

「プシスファイラ」は、遥か紀元前に超音波によるネットワークを構築したクジラ類たちの物語と、その後21世紀になりクジラと人間の交信が成功した後の邂逅を描く壮大な年代記的SF小説である。天野邊のネットワーク知識やコミュニケーションに関する思想が遺憾なく発揮されている名作であるが、近頃はやや入手が難しくなる時期があった。また天野氏個人に対する攻撃の延長でAmazonのレビュー欄が荒らされる事もあった(現在は消えている)。

しかしこのKindle版の発売により、多くの人々が「プシスファイラ」に触れやすくなるだろう。また、警察による弾圧を受けた一表現者を支援することにも繋がる。是非購入してみてはいかがだろうか。