2016年9月8日(木)、NHKは2018年放送開始予定の第57作大河ドラマが『西郷せごどん』に決まったと発表した。原作はKADOKAWA「本の旅人」で連載中の林真理子「西郷どん!」 。タイトルのとおり西郷隆盛を主人公に据えたドラマで、2018年が明治維新からちょうど150年の節目にあたることを記念して選ばれたものだ。脚本は『花子とアン』『ハケンの品格』等で知られる中園ミホが務める。

1963年以来続く時代劇シリーズとしてお馴染みのNHK大河ドラマでは、これまでにも吉川英治、司馬遼太郎、山本周五郎といった作家の小説を原作としてドラマが製作されてきた。テレビ離れが叫ばれる昨今においても安定した視聴率を誇るキラーコンテンツであり、大河ドラマに作品が取り上げられることは作家にとって大きなステータスといえるだろう。

ところが近年の大河ドラマでは、オリジナリティを強く打ち出すためか、脚本家によるオリジナル作品が続いていた。現在放映中の『真田丸』が三谷幸喜のオリジナル作品であることはよく知られているだろう。既存小説を原作とした大河ドラマが製作されるのは、2009年の『天地人』(火坂雅志原作)以来実に9年ぶりのこととなる。

久々の原作つき作品ということで、『西郷どん』は大河ドラマの原点回帰というべき作品になるのではないだろうか。また、1990年には同じく西郷隆盛を主人公にした『翔ぶが如く』(司馬遼太郎原作)も製作されており、そちらとの描き方の違いにも注目したい。