高橋文樹の投稿一覧 221件

  1. 堕落した詩とテキストの民主主義 メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 11年前
    • 4,974文字

    詩の発展の歴史は堕落の歴史である——と言ったら、あなたは怒るだろうか。だが、そうなのだ。貴族の娘がコルセットを脱ぎ去って一枚のワンピースで駆け出すことが堕落であるのと同じ意味において。

  2. 文脈の中で私達は無力である メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 12年前
    • 3,482文字

    テキストはある文脈の中に位置づけて読まれる。ただし、文脈は広がりつつある。人々がスマートフォンを持つことで、位置情報を元にしたマーケティングが可能になったように、IT界の巨人達はより強い属性を求…

  3. キャッチ・ミーン・イフ・ユー・キャン メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 12年前
    • 3,784文字

    私達はテキストに意味があると思っている。そして、メタデータはそのテキストの意味を適切に伝えうると思っている。そして私達はそう思うがゆえに、テキストの意味を捕まえることができないのだ。

  4. JBG48、あるいは純文学に課された48の課題 メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 12年前
    • 4,564文字

    衰退する音楽業界の中でAKB48だけがひときわ高いセールスを誇っている。これはなにがしかの事実を指し示していないだろうか。純文学という「売れないジャンル」をAKBと対比させることで、私達の電子的…

  5. 真に恐れるべきは異形のモノ メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 13年前
    • 4,274文字

    機械が発達するにつれ、ついにテキストは自動的に生成されるようになった。この時代に私達のテキストはどのようにして奪われていくのだろうか。

  6. 売っていない本の中身と永遠に出てこない見積もり メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 13年前
    • 4,466文字

    電子書籍という言葉が喧伝され、なにか本よりも安いものが流通するのではないかと期待されたがそうはなっていない。これは端的にいってテキストに値段はつかないからだ。私達は今、19世紀のお針子たちのよう…

  7. 破壊しに、と電子書籍は言う メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 13年前
    • 5,222文字

    クレイトン・クリステンセン著『イノベーションのジレンマ』を元に電子書籍が破壊的技術であると仮定してみよう。新技術によって破壊された荒野で、あなたはどんなテキストを紡いでいくべきか。

  8. グッド・ルーザーになるための準備はできているか メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 13年前
    • 4,265文字

    あなたのテキストは1000年前の人間が書いたテキストよりも良いだろうか。いい場合もあれば、悪い場合もあるだろう。ただし、機械はそうではない。あなたのテキストに関する能力のうち、かなり多くのものが…

  9. 父は殺戮の限りを尽くし、息子は本が読める メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 13年前
    • 2,633文字

    いまWebの世界ではGoogleとFacebookによる熾烈な戦いが繰り広げられている。どちらの巨人が勝つにせよ、あなたのテキストは彼らのやり方で評価されるとうことは知っておいた方がいい。

  10. あなたのテキストは人間が読むようなものではない メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 13年前
    • 2,372文字

    いまあなたのテキストは文学的か否かというよりもまず、「いいゴミか悪いゴミか」を問われることになっている。それを知った上でなお、あなたが紡ぐテキストの価値は残るだろうか。

  11. 生のものと紙に刷られたもの メタメタな時代の曖昧な私の文学 / エセー

    • 高橋文樹
    • 13年前
    • 1,930文字

    紙に刷られないテキストの流通量は次第に増えている。あなたのテキストは「なまのまま」でも大丈夫だろうか。紙に刷られることを前提とした「レイアウト」があなたのテキストの価値を支えているのだとしたら、…

  12. 方舟謝肉祭(24) 方舟謝肉祭 / 小説

    • 高橋文樹
    • 16年前
    • 5,019文字

    宗おじさんは恐るべき禁忌を犯して生き残っていた......そして、「書き改め」を終えたFは、血のことに関する恐るべき秘密を明かす。壮大なスケールで描く海洋メタフィクション、ついに完結。

  13. 方舟謝肉祭(23) 方舟謝肉祭 / 小説

    • 高橋文樹
    • 16年前
    • 5,720文字

    多くの命を失いながら、避難艇は太平洋をさまよう。語り手の種村船長を襲う死の影。彼が力尽きる直前に見た悪魔のような光景とは。壮大なスケールで描く、海洋メタフィクション。

  14. 方舟謝肉祭(22) 方舟謝肉祭 / 小説

    • 高橋文樹
    • 16年前
    • 7,145文字

    たくさんの想いを乗せた海光丸が沈没し、避難艇で海上を漂う松永ら一行。容赦のない飢えと乾き、そして荒れ狂う気候が彼らを襲い、一人、また一人と命を落として行く。彼らを襲う絶望の中、一人の怪物がゆっく…

  15. 方舟謝肉祭(21) 方舟謝肉祭 / 小説

    • 高橋文樹
    • 16年前
    • 6,476文字

    海の藻屑となった海光丸。小さな二隻の避難艇とともに太平洋に放り出された松屋汽船一行。やがて彼らはわずかな可能性にかけて、途方もない距離を進み始める。しかし、激しい波に揺られながら、飢えがゆっくり…

  16. 方舟謝肉祭(20) 方舟謝肉祭 / 小説

    • 高橋文樹
    • 16年前
    • 11,938文字

    ついに休暇村事業を諦め、日本へと向かう松永ら一行。パラオから一度も寄港せずに神戸へ向かうという無謀な船旅が始まったが、太平洋の亡霊が彼らを飲み込んで行く。大正時代の太平洋を舞台にして、少しずつ「…

  17. 方舟謝肉祭(19) 方舟謝肉祭 / 小説

    • 高橋文樹
    • 17年前
    • 8,259文字

    失敗しつつあった航海を甦らせようとして奔走した種村も、ついに「地球村」事業と松永宗光への失望を抱くようになる。その彼に一抹の救いをもたらしたのは、一人の女だったが、その希望もまた潰え、松永は冷酷…

  18. 方舟謝肉祭(18) 方舟謝肉祭 / 小説

    • 高橋文樹
    • 17年前
    • 10,593文字

    順調だったはずの船旅に、松永宗光が暗い影を落とす。慎重を期さねばならない外洋航海では、ちょっとした気の緩みが命取りとなるのだ。そのことを知る種村船長は、松永たちを諫めるのだが、一向に収まる気配は…