大正時代の無政府主義者、朴烈と金子文子の生き様を描く韓国映画「金子文子と朴烈」が2月16日より日本全国で順次公開される。
2017年に韓国で制作され235万人を動員した、イ・ジュンイク監督作品「박열 Anarchist from Colony」(朴烈 植民地からのアナキスト)が、「金子文子と朴烈」と題を変え、いよいよ日本で本格的に公開される時が来た。数ある大逆事件の一つに数えられる「朴烈事件」、実在したアナキスト朴烈と金子文子の交流を題材にしたこの映画は現代に何を伝えるのだろうか。
映画の舞台は大正時代、朝鮮の日本人家庭で幼年時代を過ごし様々な差別を目の当たりにしていた日本人のアナキスト金子文子は、雑誌に掲載された朝鮮人アナキスト朴烈の詩「犬ころ」を見て惹かれるものがあり、ついに二人は出会うこととなる。二人は仲間とともに「不逞社」を結成し様々な活動を行うものの、関東大震災の発生と朝鮮人虐殺、その後の混乱が二人を過酷な運命に引きずり込む。差別と支配を越え、でっち上げの弾圧裁判と天皇制権力の妨害の中でも貫かれる二人の愛と運命とは。
時に激しく時に愛嬌のある仲間思いのアナキスト朴烈を演じるのは実力派俳優イ・ジェフン。日本人女性でありながらも朝鮮人の解放と権力への抵抗に生きた金子文子を演じるのは、日本滞在経験もある女優チェ・ヒソである。また、朴烈と金子文子の弁護を務めた布施辰治弁護士は、NHKハングル講座への出演歴を持ち様々な日韓交流活動を行っている俳優山野内扶が演じている。監督は、前作「空と風と星の詩人 ~尹東柱の生涯~」でも植民地支配と青春を描いた巨匠イ・ジュンイクである。
映画「金子文子と朴烈」は、2月16日よりシアター・イメージフォーラムを始めとして日本全国で順次公開される。この冬、是非多くの人に見て頂きたい映画である。筆者も「太い鮮人」から影響を受けるなど二人に大きな思い入れがある身として、必ず見に行きたいと考えている。詳しい情報は下記公式サイトを参照のこと。
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