尹東柱(ユン・ドンジュ、1917~1945)は、満州の朝鮮人家庭で生まれ、後に日本による支配下の朝鮮に移った。キリスト教を信仰する家庭に育ち、学生時代から詩作に励み雑誌に投稿するなどしたが、通っていたキリスト教系学校が神社参拝を拒む方針を貫き廃校にされたり、創氏改名により名を変えられるなど、彼の生活には常に日本の圧力の影が付きまとった。1941年には自選詩集「空と風と星と詩」の出版を試みるが言論統制の為に断念し、友人達に小部数配布し、後にこれが尹東柱の名を広める事となる。1942年には日本に留学し、立教大学と同志社大学に通ったが、1943年7月に朝鮮独立活動家と認定され警察に逮捕された。そして1945年2月16日、福岡刑務所において27歳で獄死した。朝鮮が解放された後、徐々に彼の名は知られ始め、現在では朝鮮半島全体で愛される民族的詩人となっている。日本でも1980年代から彼の詩集の翻訳などにより知られる様になった。彼の詩を掲載している高校教科書も存在する。

尹東柱の活動は朝鮮と日本にまたがっており、朝鮮のみならず日本においても尹東柱を慕う人は多い。今年も尹東柱が関わった日本各地でイベントなどが行われる。興味のある方は参加または視聴されてみてはいかがだろうか。

 

・2月10日午前5時から、NHK・Eテレ「こころの時代~宗教・人生~」で「詩人 尹東柱を読み継ぐ人びと」が放映される。16日午後1時にも再放送が行われる。

・2月17日には、尹東柱が通った立教大学の、池袋キャンパス 立教学院諸聖徒礼拝堂で追悼礼拝と詩の朗読、講演会が開催される。

・尹東柱が通った同志社大学では2月16日に尹東柱詩碑への「献花式」と、講演会「青春の詩人 尹東柱」が行われる。

・尹東柱が最期を迎えた福岡市では、16日午後3時から西南学院百年館で追悼式が、また17日にも百道西公園で午後2時から追悼式が行われる。

 

今年も、多くの人々に愛され海を越えた詩人を思い起こすイベントの数々となりそうだ。

それぞれのイベントの詳細などについては下記リンクを参照の事。