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どこか

大川縁

どこかで起こったこと。どこかで起こり得ること。どこかの知らない誰か。あなたが必要とするもの、不要とするもの。

タグ: #散文詩 #自由詩

338文字

 

どこかで、今あなたが必要としている何かが

誰かの手によって壊された。

 

壊された何かの破片は

太陽の光を浴びて輝いていた。

 

どこかで、その壊された何かが

また別の何かになるため

作り変えられた。

 

作り変えられた何かは

誰かの必要なものだった。

 

どこかで、作り変えられた何かを

あなたは必要とした。

 

何かを手に入れたあなたの

ほころぶ顔が水面に反射した。

 

どこかで、あなたが必要としていた何かが

あなたの必要ではなくなり、

その手の平から転がり落ちた。

 

どこかで、転がるそれを

誰かが拾い上げた。

 

誰かが何かを砕く

月の音が大気を伝った。

 

何かはまた

新しい何かに

生まれ変わろうとしていた。

 

© 2016 大川縁 ( 2016年10月29日公開

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