岡本尊文とその時代(三十九)

岡本尊文とその時代(第39話)

吉田柚葉

小説

916文字

絶対に思い出す事の出来ない記憶であった。

「これは……。」

と問うた途端、男は立ち上がった。

「すみません、ツレが到着したらしく、一寸入口まで迎えに行ってきます。」

そう言って男は足早に出入口へと消えて行った。すると、男の座っていた席から四席離れて座っていたスーツ姿の若い男性も立ち上がって、これも又、男が出て行った処へと消えて行った。明らかに若い男性は、男の後を追っていると見えた。

2019年9月23日公開

作品集『岡本尊文とその時代』第39話 (全41話)

岡本尊文とその時代

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© 2019 吉田柚葉

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