「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」が、経済産業省主催の Innovative Technologies 2016(すぐれたコンテンツ技術20件)に選ばれ、日本科学未来館(東京都江東区)にて10月27日から30日まで開催されるDEGITAL CONTENT EXPOの展示に参加する。同イベントには、話題のPlay Station VRも展示される他、未来のテクノロジーに関するシンポジウムも多数開催される予定。
「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」とは、2012年9月に公立はこだて未来大学の松原仁教授を中心としてスタートしたプロジェクトチームである。星新一のショートショート全編を分析し、人工知能に面白いショートショートを書かせることを目標としている。今年の3月には、入賞こそならなかったものの、この人工知能によって作られた作品が、第3回星新一賞の1次審査を通過したことが話題となった。同一のプロットから膨大な数(およそ100万)もの小説を生成することができ、今回の展示ではリターンキーを押すたびに新しい作品ができるシステムのデモが行われる。
AIが書く小説とはいったいどんなものか。同プロジェクトの公式サイトには「成果」として、2編のショートショートが公開されているので、ぜひご覧になって頂きたい。思っていたものより大分まともではないだろうか。いかにも星新一の作品の中にありそうな話である。しかし、たった2編だけで判断してはいけないのであろうが、どちらの作品も短いエピソードを繰り返して、なんとかショートショートとして成立させているように見えるあたり、長編を書くのはまだまだ先の話のように思える。もっと多くの作品を読んでみたい。
とはいえ、急速に発展し、注目を集めるAI分野である。そして、すでにAIの書いた作品は存在しているのだ。これからの成長速度は想像を超えていくのだろう。ミュージシャンがノーベル文学賞を取るのなら、AIの順番が来るのもSFの話ではないかもしれない。
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