2017年1月27日(金)より、愛媛県東温市の坊っちゃん劇場においてミュージカル『52デイズ ~愚陀佛庵、二人の文豪~』(脚本・演出:石田昌也)が上演されることが発表された。本作は「子規・漱石生誕150年記念作品」と銘打たれており、愛媛ゆかりの文豪である正岡子規と夏目漱石の2人が松山市内で過ごした52日間をコミカルに描いたものとなっている。

サブタイトルにある「愚陀佛庵」とは、かつて漱石が英語教師として旧制松山中学(現・県立松山東高校)に赴任していた際に下宿していた建物の愛称だ。漱石が松山で教鞭を執っていた期間はわずか1年に過ぎなかったが、この体験が代表作『坊っちゃん』の下敷きになるなど、愚陀佛庵で過ごした日々がのちの漱石文学に与えた影響は小さくない。

中でも特に大きな出来事といえるのが、52日間にわたって子規が居候していたことだろう。東大予備門時代からの友人である子規は松山出身であり、このころちょうど日清戦争から帰ってきて故郷で静養していたのだ。愚陀佛庵で2人はひたすら俳句の精進に励んだという。この52日間は2人にとってだけでなく、日本近代文学史においても重要な時間だったといえる。子規・漱石生誕150年記念作品のモチーフとして、これほど相応しいものもないだろう。

制作発表記者会見には愛媛県知事代理や松山市長、東温市長も出席しており、このミュージカルが県をあげての一大プロジェクトであることが窺える。9月下旬には出演者オーディションも予定されているので、気になる方は一緒に作品を作り上げてみてはいかがだろうか。