殺人教唆は地獄に堕ちない

名探偵破滅派『楽園とは探偵の不在なり』応募作品

曾根崎十三

エセー

838文字

ネーミングのシンプルさも何か真相に関係があるのだろうか。名探偵破滅派応募作品。

現実と非現実が入り混じっていて、妙に混乱する。それにしても誰が犯人でも嫌な感じの生き残りメンバーだ。全員動機はある。宇和島も伏見も復讐という動機があるし、倉早も天使の制度に疑問を感じており、何か恨みがありそうだ。

犯人には殺された人物たちに相当な恨みがあり、正義の鉄槌を下すために彼らを殺した。そういうわけで犯人は探偵事務所の人たちを殺されたことで、フェンネル開発に携わった人間に復讐をしようとした宇和島である。

彼は、医療ミスで地獄行きにならないことから、直接的に手を下しさえしなければ地獄行きになることなく2人以上の殺人ができるとすぐに思い至り、計画を立てた。

疑心暗鬼になるようなことを吹き込み、報島に常木と政崎、争場に天澤と小間井を殺させた。それにしても何か吹き込まれただけで確実に地獄行きになる二人殺しをするか?とも思う。一人目の殺人を殺人したと思えないような方法で殺させたのだろう。たとえば報島には、常木のことは酒に毒を盛って殺したので、何かしら理由を付けて、死因を刺殺と誤解させるように胸にナイフをさして欲しいと伝えた。酒に薬をもって仮死状態にはしたものの、実際に常木にトドメを刺したのは報島で知らずに人を殺させた。

争場も、天澤に火傷をさせるかスタンガン的なやつで気絶させたところに縄を首巻いて体をかくし、杭に縄をひっかけて船で脱出できるなどそそのかして縄を船で引かせることで殺させた。小間井が殺される理由がわからないのだが、小間井には天澤の件がバレていると嘘を伝えて口封じのために殺すよう唆した。

常木を政崎が殺し、政崎を報島が殺し、報島を天澤が殺し、天澤を小間井が殺すパターンも考えたが、争場は確実に二人殺している。

それにしても小間井が殺される理由が見当たらない。こじつけしかできない。常木を黙認する立場だったから? それならば倉早も殺される必要がある。これから死ぬのだろうか。倉早が殺されるのを助けて、大槻とコンビを組むラストならそれはそれで面白そうだ。

 

2022年8月13日公開

© 2022 曾根崎十三

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