カルアミルクを呑みながら。

山谷感人

エセー

1,643文字

痛風になった筆者は、カルアミルクを鯨呑みしながら、自己流文藝論を語る。

昨日。
金曜日の昼間。僕はカルアミルクを呑みながら、ローカル・テレヴィを流し観ていた。何故、カルアミルク? と嗤われるならば答えたい。我、過多なる飲酒癖で痛風になりビアを控えている故にて。ミルクは、その病に良いと聞いた。牛乳1対カルア9の割合にて、最近は「カルアはキクぜ。実は大人のリキュール!」論を書こうかな? くらい嵌まっている。そう云えば、ドヤ街・山谷に住んでいた時、よく行った酒場で焼酎のミルク割り、なるモノを浴びていた当方。そうして、この飲み方は檀一雄が編み出したんだ! とアメイジングな意見を吹聴していた追憶がある。
齢は、重ねたくない、フォーエヴァ・ヤング。
さて、その金曜日の昼間のテレヴィジョン。
たまたまローカル再放送でアップされていたユーモア・ヒューマンドラマを観た。作品の内容には、触れない。僕は不惑を過ぎても遊民にて、コロナ問題で自粛しながらも所謂、女性との出逢いは多い。そうした時ず旧き言い方をすらば、必ずヤングなハニーからは「好きなタイプは?」と提示さるる。
自身、添い遂げ、添い遂げられる人としかアンサーはない訳であるが「芸能人に例えれば?」と切り返され所謂、男女の台詞キャッチボールは、永遠のアオハルごっこ也。そうした折、僕は「長澤まさみ」と述べる事にしている。ファンではないが、無難な感覚がして。
説明が長くなりそうだし、僕も深夜、with・カルアミルクの即興エセーな故、纏めて行こう。
ローカル再放送テレヴィで、長澤まさみ主演ドラマをやっていた。ここまではok?
約二時間余り、観た。「あ~、長かったな」と、横にいた愛猫と寝ようとした。然し現在、我が陋屋の所在地、天領・ナガサキシティーにもコロナ問題が訪れていた為、僕は国営放送にチャンネルを変えた。
五人。僕の近辺で感染者が新たに! なるニュースを澱んだ眼で把握しつつ最早、カルアのボトルをラッパ飲みで喉に流しつつ、愛猫に「怖いね、怖いね」と不遜な笑みをでニャーオごっこしていたら、速報のテロップがきた。
「人気俳優。自決、か」
僕はその、人気俳優の事はよく識らない。長澤まさみ、も語れないくらいだから。ただ、その速報を拝受した瞬時、ああ、と何やら切なくなった。
遺書が残されていると、ネット後追い記事で読んだが、どうなんだろう? 流行りの週刊誌のゴシップが出る前に堪えきれなくて、でない展開を祈りたい。
コンプライアンス運動が市民権を取って、もう二十年くらいか。前途のまま、もし「あったとしても」芸能人雑誌にゴシップ記事による自決としたならば、こんなに馬鹿らしい道は非ず。
そもそも、芸道とは馬鹿かキ印しか出来ない道だと、あくまでも僕は思っている訳で、それは世界の古典の作者列伝を鑑みれば一目瞭然である。ガッカリ云う。マトモな人は、少ない。日本でも、紙幣にすらなった偉人扱い、夏目漱石、野口英世のエピソードは、エグい。それが普遍的である。
そこで「いんや~、時代が違うからっ、キリッ」と云う風潮は矢張り、変なのである。見よ、文藝もロックも、おサラリーマン化してから、面白くなくなる一方である。それの原因がコンプライアンスだと思う。
まあ然し、石川啄木の場合は、僕もカルアの酔いが醒めるが。
再度、述べると、今回の人気俳優自決とコンプライアンスの関係は、まだ判らない。永遠の闇に葬らされ、なかった問題になるやもしれぬ。
だが、もう、雌伏している遊民ルサンチマン芸術家は、冷やかしではなあえワイワイ! くらいくの声を挙げるべきではなかろうか?
ネット社会で「お互い、ルールを守って作品をアップしている。そうして現在の方が有名になれるチャンスが多いし、他はスルー」なる人が多数か識れない。
たが然し、有名な佐藤春夫・門弟三千人は、コンプライアンスがない時代、作家の著作には住所も書かれていて、彼が訪れて来たファンの中で才能がある人物を弟子と認定し、世に出そうと、足掻いた数である。

カルアを未だにラッパ中な故、文責、支離滅裂、誤字脱字は識らぬ。アデュー。

2020年7月19日公開

© 2020 山谷感人

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"カルアミルクを呑みながら。"へのコメント 2

  • 投稿者 | 2020-07-19 10:16

    この惑星には2種類の人間がいる。
    本人が面白い人と、そうでない人々だ。
    前者の書き起こすものはやはり面白い。
    その証明を突きつけられ、再確認した。
    人類はもっとカルアミルクを量産すべきだ。

    • 投稿者 | 2020-07-19 20:18

      いつか一緒にカルアボトルを浴びながら、チープトークしませう。

      著者
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