ある視線について

長崎 朝

281文字

きみはおびえていたのだ
光の予感のなかで
過去形の詩句のなかで
見ることは、またひとつ終わらせること
なぜ詩人は、四角に切り取ったのか
世界を
見ることは、四角く見ること
ノーマルな視線とは、春の渓流に垂らされた
神の釣り糸のような
山女魚の少し手前
流れを裁つことなく光は
水中を遡っていく
鱗の集合に跳ね返し
ぼくは愛する
糸の引きを
それが、透明な抵抗の瞬間だからだ
まだ訪れない
影の跳躍はずっと先にあって
きみに見ることはできない
糸の先の
糸の先を
どうして、直線でなければならなかったのか
愛とは、その手前の
少しのためらいのことだったはずなのに
むしろ光を覆う
ナイロンのベールのことであったのに

2018年9月7日公開

© 2018 長崎 朝

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