やべー。愛、でっかいうんこが出たから見てみろよ、マジすげえから。キレーな一本グソ。こんな太くて……こんな……。マジちょっと見てって。マジこのレベルは年に一回あるかどうかだぞ。マジマジ。マジ一瞬でいいから。なあ、愛。
化粧中のわたしにそんな最低なことをのたまうのは、同棲して半年の雄介だ。むししていたら「あー。つまんね」と言って、どこかに去っていく。ちょっとしてから背後でガチャッという音がしたのでタバコを吸いに外に出たのだろう。
LINEがきた。見ると雄介からだ。画像を送ってきている。しまったと思ったときにはもう遅く、つぎの瞬間、わたしの両目に、年に一回あるかどうかの、キレーな一本グソが飛び込んできた。
また、ガチャッと音がした。
「おい、雄介ェ!」
アホ面で部屋に入ってきた雄介を怒鳴りつける。
「愛、自販機で売ってるみそ汁買いにいこうぜ」
「んなことより、ざけたもんおくってくんなや!」
「ああ。悪い悪い。見てくれたんなら、それでいいよ。スッキリしたわ」
なんだこいつ。
「もう送んなよ」
脱力する。こんなバカを相手にしてもしかたない。そんな気持にさせるのは、たぶん雄介の処世術なのだろう。これほどのバカがこの歳まで生きてこられたのは、赤ちゃんの唯一の武器をいつまでも手放すことなく、つねにじぶんの一番の武器としてあっけらかんと使いつづけることが出来ているからだ。
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