自分史入門

消雲堂

小説

880文字

自分史図

 

写真は、受講生さんが日記帳から起こしたメモ…なんですが、できれば、これを多少文章化して欲しかった…。ごちゃごちゃ(ある意味芸術的w)していますが、ざっと見ただけで、自分史にまとめるべき内容が見えてきます。

この年のトピックは①写生、②孫の誕生、③旅行、④病院での検査です。一番多く書かれているのが「写生」です。どうやらこれが主体になりそうです。

しかし、自分史を書く場合には、まず身の回りの変化を書くようにした方が整理できていいと思っていますから、この年の家族の変化を書いてもらいます。例えば「子供が生まれた」「誰かが亡くなった」というのを冒頭に書いてもらいます。つまり、この場合は②の「孫の誕生」が冒頭にもって来ます。ついでにこの年に何が起こったかを追加しておきます。

「平成16年(2004)、68名の犠牲者を出した新潟県中越地震が発生した年です。私は62歳になりました。この年に初孫が生まれました。…」という具合です。

次は①の写生ですね。これをこの年の主なる出来事にしようと思います。受講生さんは幼い時に叔父さんの描いた絵を見て感動して以来、絵を見るのが好きなのはわかっているんですが、60歳になるまで絵を描くということはなかったので、なぜ写生するようになったのかその要因がわかればシュルっと書けるような気がしたのです。

「なぜ、この年は毎日のように写生に出かけてるんですか?」と聞くと、「当時は東京を描く美術サークルに入っていて、東京まで出かけて写生会に参加したんです。それで”一枚の繪”に絵を投稿し始めたんです。何回も掲載されたんですよ」と嬉しそうに言います。

続けて「旅行に出かけたのは写生旅行で、海外に写生旅行して帰ってから体調が思わしくないので、病院で検査を受けたんです」

うん、これで①、③、④がつながりましたね。

ここまで材料が揃えば、書くのは簡単ですね。受講生さんが話した通りに書いていけば骨組みが出来あがります。この年はこの骨組みだけでもいいし、内容を膨らませたければ、何処で誰が何をしたっていうのを時系列で肉付けしていけばいいだけです。

2014年1月13日公開

© 2014 消雲堂

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