「爆発音？」
おもわず私は聞き返した。
「そうです。」
「……其れは本筋と関係のある事なのかな。」
「無いです。」
宮崎氏は真直ぐな眼をして言った。
「じゃあただ聞えたと云うだけか。」
と言って私は壁掛け時計を確認した。十五分が経過していた。
しかるに、宮崎氏には「語る」事に酔狂しているフシがあった。おもえば氏は、数ヶ月前の『文藝』で「私小説の嗜み」と云う一寸長めの評論を発表していたのだが、その中に、次のような一節があったのだった。
2019年7月3日公開 2019-07-03T06:10:53+09:00 2019-10-12T10:55:35+09:00
作品集『岡本尊文とその時代』第27話 （全41話）
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吉田柚葉 破滅派 投稿者
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