七 花の宴
新任アラン牧師夫妻はグリーン・ゲイブルズ邸にてカスバート兄妹より午餐のもてなしを受けている。
「これはこれは。お手製の葡萄酒とリブ肉のローストですか。いつものご親切、痛み入ります」
アラン牧師は好物であるリブを頬張りつつ、マリラの料理の腕前を大仰に褒めたたえた。
「これくらいの脂のノリが絶品ですな」
「ちょうどいいモノが手に入った折でして」
マリラは頬を赤らめ、はにかみつつ謙虚に返答する。
「私はこちらを頂きますね」
アラン夫人は灰色がかった緑とでも形容すべきゼラチン質の奇妙な物体を口に入れるともしゃもしゃ噛み潰し、たまらないといった表情で陶然と述べる。
「本当に、カスバートのご兄妹はこの島の宝と言っていい。かみさまに誓ってもいい」
時は春、桜は今を盛りと咲き零れ、グリーン・ゲイブルズの庭は神聖な静謐をたたえている。
かみさまは天にあり、この世は総べて
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